昨日は定例の梅田解放区であった.夕方5時半に梅田北にある中津の豊崎西公園に集合し,まずそこで集会をおこなう.季節は秋で,日没も早く,あたりは暗かった.幾人かが喋る.
大阪市解体反対! スガは辞めろ! アベ逮捕!
ずいぶん気温が下がっていて,立っていると寒いくらいであった.よく見ると松井市長も雨合羽を着て人形で参加している.
それから,デモに出る.いつものように少しデモして歩くと阪急の高架にくる.その横を,東梅田のHEP5前まで歩く.北梅田の界隈はほんとうに人が多い.若い人らで混みあっている.
11月1日の大阪の住民投票は,「都構想の賛否を問う」といわれているが,これは維新によるごまかしである.都とするかどうかの投票ではない.大阪市を解体するかどうかの投票である.「都になるならいいのでは」と思っている人らに,それが投票の中味ではなく,あくまで大阪市解体の賛否を問うのだということを訴える.
HEP5前での集会に移る.23日にはここで17歳の人が転落死し,その巻き添えで入院し意識のなかった19歳の学生が24日になくなった.それで集会の最初に黙祷を行う.
菅政権が国会を開かずに独裁政治を進め,大阪維新に属する吉村知事,松井市長が大阪市を解体しようとしている.資本主義がもはや拡大できず,日本が没落してゆく中で,利益をほんの一部に集中させようとするのが,国と大阪のやっていることである.
これに対抗する.そのために街頭に出てそこから呼びかける.皆その気持ちを一つに,歩きそして語る.自由に発言し、訴えてゆく.こうした街頭行動,ここからしか始まらない.
この日は歌手の川口真由美さんも来てくれた.彼女の歌はいつ聞いても引き込まれる.デモをしながら彼女の歌を聞くのははじめてだったが,よかった.彼女の歌はもうどれくらい聞いたのだろうか.それにしてもこのライブ配信は心動かされる.
この日は,連帯労組の人が,大きな音の器材をリヤカーに乗せ,一緒に歩いてくれた.大きな音楽のあるデモと集会となった.
私は、こうして皆がやってるのを,参加することで手伝おうと,もう3年近くここで行われるときに通っている.参加者の中ではいちばん年寄りだと思うが,街頭に立つことはこちらが考える場でもあり,私にとっても意味深い.そして,これがいつか御堂筋を埋めつくすデモの再現にまでつながることを願っている.
ここまで昨日のことを書いて,犬の散歩で1時間半歩く.写真の満池谷墓地南口から南東の方向へ,前に「安倍=菅やめろ(続)」に書いたところを歩いて,愛宕山の上までいってきた.
それにしても日本の現実は酷い.この没落の意味を日本にいるものとしてとらえねばならない.日本近代は,近代日本と向きあわず,目を背け続けてきた.歴史と向きあわないところは,必ず没落する.日本はいくところまでいかねば,再生することはない.それを確認して,そして徹底して没落したところからの再生について,為しうる準備を重ねてゆきたい.
地球の有限性によって,拡大しなければ存続しえない資本主義は,終焉する.
縮小する利潤を,ほんの一部に集中させようとするのが,新自由主義である.
没落しつつある日本において,それは露骨である.スガ政権の本質である.
互いを人として尊重しあい,ものを分けあう関係を作れ,これが歴史の求めである.
生産者と人を直接に結ぶ活動を基礎にその輪は広がっている.
わが家では,あしの会と西宮の北の方の無農薬野菜農家から食材が毎週届く.
梅田解放区もまた,そんな人と人の関係を基礎にしている.
これを土台に,新しい政治を現実にしてゆかねばならない.
資本主義を越えるというのは,日々の取り組みそのものである.
そして,歴史が求めることは,実現可能である.
私は,そのための基礎作業をしてきたつもりであるが,しかし力およばずである.それでも,何をしなければならないのかについて,これからも書き置きたい.