関生連帯集会

 昨夜は,大阪天満の労働会館で行われた,労働組合つぶしの大弾圧に抗議する9・22緊急集会に参加してきた.主催は,全港湾関西地本大阪支部が中心となった,9・22集会実行委員会である.
 6時開催の15分ほど前に会場にいったのだが,もう空き席はない.多くの人が立っていた.主催者は緊急の呼びかけであったので,150~200人を予定していたそうであるが,実際の参加者は350人を超えていた.関生労組への弾圧の実際は以下の所に詳しい.
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 この三カ月で武委員長らがのべ26人逮捕され,今も20人の労働者が投獄されている.この間,各県警の組織対策課が連携しながら,一斉に動いてきた.これは,アベ政権の中枢からの指示であり,原則的に闘う組合や市民運動を潰す,ファシズムの動きそのものである.
f:id:nankai:20180922180923j:plain:right 実行委員会参加組合や団体からの発言が続いた.豊中の木村議員も北大阪合同労組委員長として挨拶.そして,昨秋から今年の2月まで3ヶ月拘束されていた人民新聞の山田編集長や,8月6日に広島での活動中に弾圧された園君やAさんも訴えていた.最後に川口まゆみさんが熱唱し,それから団結がんばろうで集会は終わった.
 それから山田さんと尼崎まで戻り食事をしながらいろいろ話をして帰宅した.人民新聞はあれだけの弾圧を受けたが,新聞は一度も途切れることなく出たし、読者は増え,関西の左派系新聞という地方紙から,独立メディアの全国紙になった.PCなどはいまも押収されたままである.それに対して9月18日に国賠訴訟をおこした.
 一連の弾圧を発動したアベ政治とは何か.昨日は午前中に,アマゾンのKindle版で,「ゾンビ政治の解体新書:魔女狩りをするゾンビへの鉄槌」を手に入れ,読んだ.いくつか私と考えの違うところもあったが,また学ぶことも多かった.著者は,藤原肇さんで,じつに多くの著作がある.
 世界の多くの国は,表に出しては言わなくても,資本主義がゆきづまるなかで,この先に必ず起こる激動のなかで,何とか少しでも軟着陸させ,次の時代に進んでゆくために,さまざまの模索をしている.
 その中で,この数年のアベ政治は,これとはまったく逆に,これまで以上にアメリカ従属の政治にすがり,立て前としての法治主義も投げ捨てて,反対するものを弾圧してきた.藤原さんのこの書を読むと,この先,日本はアベ政治の結果として,アメリカにすべてを吸い取られ,まさに国破れて山河もなしのところに行きつく.それが近代日本のなれの果てである.
 それではどこに活路を見いだしてゆくのか.藤原さんはこれからの可能性を「あとがき」の中でいろいろ述べておられる.その中に,「日本の大学は輸入学問の窓口であり,意味論が存在していないせいもあって,翻訳が実にいい加減である」との一文があった.ここに着目することは大切なことである.そして,藤原さんは,「それで日本の優れた若者がみな日本を出てゆく」という.
 それに対して,青空学園は日本の中からこれをかえてゆくことを模索してきた.その場所としての青空学園を開設してもう十九年が過ぎ,二十年目に入っている.
 日本語科で書きためてきたことをもとに,この春『神道新論』を出した.ここでやろうとしてことは,現代日本語の意味を日本語の基層から再度定義しなおすということであった.いま再定義が必要だとの問題意識でこの二十年,「定義集」をやり,そのための準備してきたのだ.そしてようやく人に語れる段階になったと考え本にした.しかし,この問題意識はまだまだ一般的にはなっていない.それでも,現実に国破れて山河もなしとなったときに,ここからやり直すしかないというところに必ずくる.そう考えている.
 数学科の制作物の意味については,先日京大数理研でやったの研究会の講究録用に提出した一文『大学初年級数学において何を伝えるべきなのか』のなかの「青空学園数学科」に書いている.ここでやってきたことは,教育数学そのものであった.上記講究録では、そのことについても詳しく書いている.
 青空学園数学科については,誰が書いてくれたかはわからないが,ここに適切な紹介がある.
 こういう集会に出て,関連した本を読んで,こちらは何をしてきたのだろうと考えた次第である.ということで,今しばし,できるときまで,これを続けたい. 
追伸:23日の夕方は,昔の数学科の同級のKさんに会い食事をした.明日から岡山である日本数学会の総会に行くため,23日は大阪に泊まるそうだ.彼と再会した日のことは「人と会う(続)」にあるが,もうそれからでも7年半が経過した.お初天神横の生魚の店で飲みながら,それぞれ,自分が何をやってきたのかを考えあうような会話もした.