2019憲法集会

 今日の午後,神戸まで出かけてきた.神戸の総掛かり行動実行委員会の「戦争させない,9条壊すな 5.3兵庫憲法集会」に出るためである.この集会は昨年も出かけた.そのときのことは「2018憲法集会」にある.
 去年はもとの同僚に出会った.今年は、梅田解放区で出会う人や私の地元の人,西宮の市会議員などに出会い,そして帰り道では解放教育を一緒にやっていた伊丹の元教員にも会い,電車で一緒に帰ってきた.
 集会は,川口真由美さんのミニコンサートではじまる.この人の歌はこれまでも何回か聞いてきたが,確かにひきつけられる.そして,落合恵子さんの講演,というか語りがあった.それからデモ行進.私は用事もありデモには加わらず駅に向かったのだが,途中で伊丹の元教員が歩いているのに出会った.どうしたのと聞くと少し足を痛めているということで,彼もデモには加わらず戻っている.一緒に阪急電車に乗り,中でいろいろ話した.彼とは梅田解放区でも出会ったが,話ができたのははじめてであった.私が先に乗り換えるので,握手をして別れてきた.
 今年は去年よりも参加者も多かったと思う.子連れの若い人が幾組かいたのは良かった.集会公園の横で走り回る子供もいた.私はこういう集会などの場でいろいろ考える.体を動かして考えるのがこちらの方法なので,時間があるときは出かけてゆく.

 私の第九条に対する考え方は,もう15年前のものだが「日本国憲法第九条こそわれわれの自主憲法である」にある.今はもう少し憲法そのものへの考え方も深めているが,このように考えてきたことはまちがいない.そして,そのうえにこれまで生きてきたこともまちがいない.これには英訳「Japanese Constitution Article 9 is the our own Constitution. 」も作り,ここにおいてきたが,読んだ人はいるのだろうか.

 これをさがしている途中で,「『竹内好という問い』を読む」を書いているのに気づいた.もう14年前にこのように考えていたのだ.これは私が日本語科でいろいろやっている途中のものだ.このときからまた時間が経ち,ようやく人に語れるようになったかと考え,『神道新論』を表したのだ.拙著の後書きで「原稿を出版社に送ったとき、この一冊を書くのに二十年かかった、と思った。」と書いたが,実際そうなのだ.自分のこの一文に再会したのも、今日体を動かしたからだ.
 仕事もたまり,地元の諸々の準備もしなければならないが,半日,貴重な時間であった.

 夕方,天皇が外来のものであることについてそれを文献から検証している小林惠子さんの本を整理した.先日書いたことの根拠となる文献である.このような研究を日本の歴史学会は無視する.「天皇は内発のものであり万世一系である」という立場と矛盾するからである.それだけにぜひ読んでほしい.

小林惠子

倭王たちの七世紀―天皇制初発と謎の倭王現代思潮社、1991
『三人の神武』文藝春秋社、1994
『広開土王と「倭の五王」』文藝春秋社、1994
『解読「謎の四世紀」』文藝春秋社、1995
『興亡古代史―東アジアの覇権争奪1000年』文藝春秋社、1998
『本当は怖ろしい万葉集―歌が告発する血塗られた古代史』 (祥伝社黄金文庫)、2007
『古代倭王の正体 海を越えてきた覇王たちの興亡』(祥伝社新書)、2016