はや六月

 今日は定例の梅田解放区の日である.この場所は公共の場所で,何人かで歌っているいる若者達もいれば,梅田解放区のように皆で集まって思いを語りドラムをたたくという人もいる.言いたいことのある人はここに来て喋ろうと呼びかけている.私は,若い人らががんばってるので,ここでは喋らずもっぱら横断幕をもつのを手伝っている.
 いよいよアベ政治の中味が多くの人の知るところとなってきた.アベ政治は農業・牛肉でトランプと合意したが,それは日本の農業を産業として成りたたなくするものであるがゆえに,その発表は夏の参議院選挙後に行う.これをトランプは得意げに喋った.日本の農業を潰し,アメリカ資本の企業農業にすべて捧げる内容が,すでに合意されている.
 これまでアベノミクスがうまくいっているかのように偽造するため,国民の金融資産を株式市場などに投げ込んできた.つまりは国際金融資本に年金基金を捧げてきた.そのことも明らかになった.数年のうちに日本の年金の破綻が現実化する.
 今日一緒に語っていた若者らの賃金は少なく生活は苦しい.さらに,この世代の多くのものの老後は悲惨である.年金がかけられないという人も多い.近代日本が,衰退国家,失敗国家となり果ててゆくことが避けられない.これは,もう明らかである.これらのことは,『分水嶺にある近代日本』にも書いていたが,それがこのように早く現実になるとは,実際思いもよらなかった.
 しかし,報道はされす,分析もなされず,テレビも新聞も,現実を見ないように,見せないように機能している.しかし報道機関の姿勢はフランスも同じである.ではなぜ日本で人々は怒らないのか.この政治を変えるために立ちあがらないのか.日本の方がフランスよりずっとひどい状況なのに,とにかくもフランス人は立ち上がり,日本人は黙って耐える.そこに竹内好が「一木一草に天皇制がある」という天皇制があると言うのはそのとおりである.この間の代替わりの喧噪を見れば,人々を自分で考えないようにしむけ,そしてそのうえで国民を統合するために,この制度はたしかに機能している.
 その事実をふまえて,しかし,多数の意識をどこでどうして動かしてゆくのか.そのことを考えざるを得ない.目の前を通り過ぎる若者は,自分たちの将来をどのように考えているのか.

 ここに書くことで考えたいことも多くあるのだが,明日朝は自治会で市から委託された地元の公園の掃除.七時半までに倉庫の鍵を開け箒などを並べるので,今夜はここまで.