街頭で語ることも第一歩

 昨日は寒い日であった.定例の 梅田解放区 に参加してきた.この日の朝はとなりの自治会の餅つき大会.例年そこの会長さんが誘ってくれるので,今年も出かけて、つきたての餅を,きなこやあずき,おろし大根などでいただく.おろし大根をつけたもちのうまいこと.主催者の衛生管理もたいへんなようだ.それからもどってひと仕事して,夕方大阪に出る.
 梅田東の場所に行くと,GoWest ComeWest の人らが街宣をやっていたので,まずその旗もちを手伝う.そして5時半からいつものように,みな語りはじめる.こちらはいつものように横断幕をもつのを手伝う.

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 東京に住んでいたが,体の調子がどうにも悪くなり,大阪に来てやっと元気にやれるようになった人がその経験を語る.いまも東京に行くと調子が悪い.放射能への感受性は人によって違うだろうが,東日本が汚染されている現実を語る.
 この4月から,いわゆる働き方改革の一環として労働者派遣法が改定され施行されるが,それを理由に派遣会社から雇い止めをいわれた人がそのことを語る.何が「働き方改革」なのか.月曜日から職安通いになるともいっていた.
 辺野古に行って来た人からも報告があった.軟弱地盤がはっきりとし,とても基地を作るどころではないのに,あの美しい海に今も土砂を投げ入れている.アメリカ軍を引き留めるため,そして工事業者の利権のために,工事が進む.
 イギリスで長く暮らし日本に戻ってきた人は,日本では非正規で働いているが,そこから見える日本の労働の現実を語る.そして,この日本で原発を動かすことの恐ろしさを語る.
 京都の丹後・宇川の街に近い米軍基地の反対運動を続けいている人も,京都からやってきて、語る.この基地のことは 赤旗のこの記事 に詳しい.そして彼はギターを弾きながら歌う.
 その他にもまだ数人が語る.30人近くが集まっていた.そしてみなで写真を撮ったところで,こちらは戻ってきた.若い人らはそれから交流会をやっている.

 私は横断幕をもちながら,日本の世の中が底の方から崩れていることを思わずにはいられなかった.人が人として生きられない世になっている.人を人として尊ばない世になっている.これは資本主義の非人間性が末端まで及んでいるということだ.
 3.11をショックドクトリンとして利用し,惨事便乗型資本主義として現れたのがアベ政治である.やりたい放題の新自由主義の段階であるがゆえに,この資本主義は、人を金儲けの資源としか見なさない.それが雇用の現場だけではなく,世のあらゆるところにおいて,人を人とみなさないことがまかり通っている.それに歯止めがかからない.

 私は今,前著の展開として,核炉崩壊以降について,その意味と,そして考えるべきことについていろいろ書きためている.まだまだ書くべきことがある.こうして街頭に出て,若い人らの思いのつまった語りを聴くことは,いろいろ考えさせられ,また書くべきことごとを教えられる.
 この日本の現実からの活路はあるのだろうか.誰かが言っていたが,こうして街頭に出て語ること,それもまたその活路をひらく第一歩だということはまちがいない.そしてやはりそういうものたちの団結だ.労働者,団結権基本的人権,これらはもう今は死語なのか.いや、そうではない.これを取りかえすのだ.道は遠そうであるが,できることをやってゆきたいと思った.