梅雨入りの日に

追伸(6.15):今日,六月十五日は,樺美智子が亡くなった日である.60年の安保闘争全学連主流派が衆議院南通用門から国会に突入し,機動隊と衝突したなかでのことであった.合掌.
 あれからもう60年である.今の世のあり様は,あの60年前の時よりもはるかに酷い.なぜ若者は怒らないのか,手をあわせ,そのことを考える.

 今日は定例の梅田解放区の日.午後の1時~3時に行うとあったので,昼を食べてすぐに出かけた.行くともう始まっていた.関西も梅雨入りし,今日も雨であったので,向かいの高架線路の下でやる.2人がトランペットをかなで,それぞれが声をあげる.道ゆく人は若い人ばかりで,私のような年寄りはあまり街頭に出てこなくなっているようだ.用心はして自粛はしない,がこちらの方針で,それで梅田まで行って来た次第である。

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 3日前,鹿砦社から6月11日発売の「NONUKES voice24号」が届いた.季刊で出されるこの雑誌『NO NUKES voice』は『紙の爆弾』の増刊として出されているが,いつも献本として送って下さる.ほんとうにありがたい.
  今号は,「原発コロナ禍 日本の転機」を主題にしている.コロナ蔓延のために取材ができず,原稿依頼で雑誌を作ったとのこと.結果的に書き下し論考ばかりで,何とも読むところの多い雑誌となった.
 いずれの論考も,それぞれの分野で,日本の現状に対する考察をおこなって,その上で今後の方向を述べる.希望を言う人と,絶望を言う人と,さまざまである.

 私は,政治的にも経済的にも世のあり方そのものにおいても,さらに人と人の関係においても,日本は没落してゆくと考える.そしてそれは,安倍個人を取りかえれば済むような話ではなく,近代日本のあり方の成れの果てである.
  今回明らかになった電通の政府をとおした金の横取りは、かつては発展途上国に見られることであった.同じことが日本に起こっている.これは没落途上国のこととして歴史の記憶に刻まれるだろう.われわれは今そういうところにいるのである.
 であるならば,われわあれは徹底して没落したところから,新たな世の扉を開いてゆかねばならない.そのときに,日本近代のあり方を教訓に,今度こそは根のある変革であらねばならない.そのために考えるべきこと,考えておくべきことは多く,実践過程は困難であり,途は遠い.自分にできることはしておこうと『根のある変革への試論』を書き続けている.これはまだまだ深めねばならず,それこそ途は遠い.

 さて,青空学園もやりはじめて20年を超えたが,『数学対話』「デカルトの円定理と一般化」の4節「ヘロンの公式の一般化」について,次のようなメールをいただいた.

 私、S県S市のSと申します。職業は建設会社の現場監督をしております。S県土木施工管理技士会に工事論文を投稿したいのですが、「ヘロンの公式の一般化」を掲載したいです。
 土木工事で発生する残土というものがあります。残土量を計算するのに、今までは「台形の体積」を用いるのが一般的です。ところが、重機で厳密に台形を形作ることは不可能に近く、作られた台形から計算しても実量と乖離します。
 測量機で各頂点の座標値を得、「ヘロンの公式の一般化」にて計算することにより、より精度の高い土量の算出が可能となりました。体積が算出されますと、運んだダンプ車数との計算により、工事の正確な進捗がわか
るようになりました。
 投稿論文には<144V2=a2α2(-a2-....>の部分を掲載したいです。測量機を眺めながら、おそらく出来るはずと推測してからの勉学。次男に聞いたり、塾の先生に聞いたり試行錯誤しましたが、無事算出できて嬉しかったです。 

  青空学園数学科の記述が,土木工事の現場で役立つとは思っていなかった.確かに,残土を四面体に分けその辺長を測定することができれば,体積は正確に求まる.こちらが教えられた.
 このようなメールをいただくと考えるのは,この青空学園数学科のサイトをいつまでおいておけるのかということである.前にも書いたが,このように検索して見つける人がいるのだから,ウエブ上においてあれば,意味はある.
 しかし人の命は有限だ.これをどうしてゆくのか,なかなか方法が見いだせない.しかし,このような問題もまた,これまでの積み重ねの上に出てきたものだし,いろいろ工夫する意味はあると思っている.