ようやくに梅雨明けか

 今日も午後まで雨であった.いつまで梅雨が続くのか.気候が大きく変動してきているのは間違いない.それでも夕方雨は上がり,定例の梅田解放区に出かける.阪急中津で降りると急な雨.仕方なく駅向かいのコンビニで傘を買う.もってくるべきだった.豊崎西公園についても降っていたが集会が始まるころに上がる.ようやくに梅雨明けなのか.

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 この日の動画などは主催者のさんのところにある.中津の豊崎西公園に集合して集会.始めは少人数であったが,それから増え始める.何と警官の多いこと,彼らは人としてはどのように考えているのだろう.その後デモに出て,茶屋町繁華街の阪急に沿った道を梅田HEP5前まで歩く.そこでも小一時間みなが喋る.
 ピカピカの新入組合員さんの闘争報告,京都から来た人,辺野古に基地を作らせないと沖縄と大阪を行き来している人,車椅子の人らが喋る.若い人らもいろいろな課題に取り組みやっていて,そのことを前を通る人々に訴える.こちらはただの一市民としての参加であり,できる手伝いをする.そして,街頭に立って,道ゆく人を見ながら考える.これは,自分にとって原点のような気がする.というのも,もうおよそ五〇年前,京都ベ平連の定例デモで,毎週京都の街をデモしていた.あれは自分にとって大事な時間であった.
 ピカピカの新入組合員さんも書いているが,この日も韓国テレビ局のKBSが取材に来ていた.大阪府・市は市民団体の訴えを無視して,野宿者への十万円給付金を出し渋っていた.六月下旬に韓国のKBSが釜ヶ崎と10万円給付金大阪市交渉に密着して取材し放映したら大きな反響があったとのこと.それで,この日も取材を続けていた.安倍政治の酷さが韓国で知られるのはいいことだ.

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 いま日本というところは国家としての体をなしていない.政治の方向が何の議論もなく一部の者によって勝手に決められ,なされてゆく.本当に酷いところになった.底なしの没落過程にあるように思われる.若者の語ることを聞いていてもそう思う.
 その上で私は,徹底して没落しなければ,再生もまた有り得ないと考えている.非西洋にあって,外圧のもとに,根なし草の近代化をした日本の,その成れの果てである.若者が語っていたなかにある,戦争責任を果たさない日本,アジア蔑視の日本は,この根なし草近代の成れの果てなのだ.
 そして今.事実としてアジアにおいても没落している.

 没落して所からの再生のための基礎作業,そんな思いをもって,青空学園日本語科に載せている『根のある変革への試論』は,第二稿になってからも何回も加筆してきている.しかしそのうえで,これをもういちどはじめから考え,書き改めることにした.
 これまでのものは,福島核惨事の始まりを受けて書いた『震災以降』がもとになっている.東電核惨事は,人類に,これまでのあり方を根本から変えることを求めた.今,疫病の世界的な蔓延は,再び同じことを求めている.しかし今はまだそれはなされていない.
 私の『根のある変革への試論』もまた,読みかえせば旧来の考え方の枠のなかで書いている.その意味ではこの試論もまた,核惨事以降の歴史の要求に向きあったとは言えなかった.

  いまそう考える.この間,書斎でいろいろ考えてきたが,四月末のころは,青空学園数学科と青空学園日本語科で,自分が歴史に対して言うべきことは言いつくしたと考えてきた.しかし,この間の世上のあり様も見つめながら,それはやはりこれまでの枠組の中でのことであったとわかってきた.
 考え方そのものを大きく転換してゆかねばならないと考える.この転換は自分のなかでも未だできていない.しかし,歴史の求める課題は,外からこの世を見るのではなく,内から語ることであると思い至った.
 資本主義の側はこの疫病の蔓延を契機に,悪辣な本質を隠した見栄えのよい資本主義にし,同時に情報技術を駆使して人民の統制を進めようとしている.それは言いかえれば新たなファシズムである.
 これに対抗し,人民の側はどうするのか.疫病の蔓延以降における根のある変革とは何か.いま言えることは,旧来の左派の枠組を根本から転換しなければならないということである.
 近代の枠組を転換するということは,これまでも言われてはきた.「近代の超克」もあった.しかしその歴史的現実は,ファシズムへ道をひらくものであった.
 そうでない枠組の転換は可能か.せめてその端緒とそしてひらかれた課題を提起するところまでいければと思う.四月~七月をかけてようやくこのあたりの考えがまとまってきた.

 わが家の入り口にアブラゼミが羽を休めていた.昔は,まずニイニイゼミが現れて,真夏になればアブラゼミだったが,この四半世紀,クマゼミの方が増えてきたと思う.六月下旬から七月のニイニイゼミもあまり見かけない.温暖化の影響なのかは分からない.