安倍=菅やめろ

 

 昨夜5日の夕方は梅田解放区であった.定例は第二,第四土曜なのだが,首相が代わったのでこの日も集まった.雨が降りかけたので,いつもの場所の向かいの鉄橋の下でやる.東京でも同時刻にやっていて電話で繋いで「アベやめろ」を同時におこなった.来週もやり,これから,第二,第四土曜の集会は,東京だけではなく,各地でやることをめざす.
 例によってこちらは横断幕をもつのを手伝う.安倍,菅と続くこの政権を倒さなければ,われわれに未来はない.このことを道ゆく若者に呼びかける.ほとんどの若者は関心なさそうに通り過ぎるが,声は届いているだろう.彼らもまた,これからの人生で壁に出会ったとき,思い出してくれればよい.
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 そして今朝は朝の7時半から公園の掃除.小一時間掃除をして,終わってから同年代の男ばかりでいろいろ世間話しをして戻ってきた.そしてこれを書いている.

  それにしても日本の劣化が進む.前にも書いたが,一人当たりGDPの世界順位では,九〇年代は常に一桁で二〇〇〇年には二位だったのが,安倍政権になって,民主党政権時代の十位台から一気に下降,一八年は二十六位.アジア・中東では七位.一位マカオは日本の二倍,三位シンガポールは一・六倍である.
 先端百五十一分野の有力論文数の各分野一位は全て米国と中国で.日本は二位に入る分野さえなく五位以内もわずか十九分野.情報技術分野では,世界十位である.これらの指標において間違いなく日本は没落し続ける.
 さらに,いわゆる先進国の中で日本の教育予算は最低であり,日本の女性医師の割合も最下位であり,実質賃金はこの十年,日本だけマイナスである.
 この十年,非正規労働者の比率は激増し,さらに年収200万円以下の給与所得者が1100万人に達した.そして,労働者一人当たりの実質賃金は約6%も減少した.消費税の税率が5%から10%に引き上げられた.
 特定秘密保護法制定,集団的自衛権行使容認憲法解釈変更,戦争法制制定,TPP参加,共謀罪創設,種子法廃止,漁業法改定,水道法改定,スーパーシティ法制定と,戦争をする国に変え,すべて国際金融資本に売り尽くした.これらのその結果はこれから現実化してゆく.
 これがアベ政治の九年間の結末である.繰り返しになるが,今書いておかねばならない.そして,菅はこれを継承すると言っている!

 これはしかし安倍個人の問題ではない.問題を掘り下げると,日本の近代は内的発展から生まれたものではなく,帝国主義の段階に入り始めていた西欧諸国に対抗するため,急いで近代化したものであり,それは根なし草の近代であった.その根なし草近代日本の成れの果てがアベ政治である.
 根なし草近代は越えられるか.もとより菅政権には越えられない.そこでこの政権がゆきづまったとき出てくるのが,ファシズムである.いまわれわれは,資本主義の終焉期に起こる新たなファシズム,これを許すのか否かの岐路にある.菅政権を前にして,こう考えなければならない.
 かつてのファシズムは,経済にまだ発展の余地がありどの方向でこれを発展させるのかという段階における,社会主義ファシズムかの対立であった.今日のファシズムは資本主義の終焉期におけるファシズムであり,かつてのファシズムとは条件が異なっている.この段階における新たなファシズムとの闘い,これがいまの歴史の課題である.

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 写真は新池から六甲山系を見る.右手の方の丸い山が甲山.その右側の校舎が市立西宮高校.9月2日撮影である.こうして夏も終わり秋となる.夏から秋のこの時期,いつもいろいろ考える.これまでも,2007年「ハンミョウ」,2012年「秋来ぬと」,2018年「秋は未だ来ぬ」2019年「秋きぬと」と書いてきた.読みかえすとこの年はこんなだったと思い出す.書き置く意味はここにもあるように思う.
 私は今年の夏の終わり頃に,どれが自分の一番の仕事かを考え,青空学園数学科こそがそれであることに納得した.そして数学科の制作に時間をかけた.これが数学科の日常活動である.青空学園数学科は,数学を文明の基礎として根づかせるための日常活動である.
 では,日本語科の日常活動とは何であるのか.こうして言葉を綴ること自体が日常活動なのか.根なし草言葉で根なし草近代を越えることはできないとして,ではこの近代を越えてゆくために何をしなければならないのか.近代造語もまた根をもたない.定義集はこれを越えるための基礎作業と位置付けてきた.
 まさに今,われわれは没落する国にあって何をなすべきかを考えねばならない歴史の段階を生きている.今年の秋,もう少し深めることができればと思う.