冬の神戸と梅田の街頭で

 12月6日(日)午前11時から「日本学術会議会員任命拒否の撤回を求める市民デモ第3弾」に参加してきた.集合場所は三宮東遊園地である.市民デモHYOGOと憲法共同センターの共催で200人ほどの参加であった.神戸大学名誉教授の森井俊行さん、神戸女学院大学名誉教授の内田樹さんがそれぞれ話され,それからデモに移った.内田さんの話は上記YOU TUBEにある.
 三宮にある神戸市役所の南の歩道の紅葉が美しい.遊園地北入口付近からその歩道に出て北に上がり,三宮商店街を西に進んでJR元町駅東改札口手前までデモした.内田さんも言っていたが,集まってくるのはわれわれの世代ばかりである.若者はいない.

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 12月12日(土)は定例の梅田解放区であった.冬の梅田であったが,若者が20人以上が参加し,街頭に立つ.こちらはいつものように横断幕をもつ.若い人らが,どんどん戦争をする国に変化している今の日本への危機を語る.また,非正規労働者として闘い一定の結果を勝ち取った人が,自らの経験をもとに,前をゆく若者に闘うことを呼びかける.みな自分の経験に即して語る.
 私にとっても大いに勉強になる.こうして梅田に来るようになってもう三年である.はじめて参加したときのことをここに書いた.街頭に立ち,若者の語りを聞き,そして考えることは自分にとってたいへん貴重なときである.
 この日はなかなか面白いこともあった.こちらは少し離れていて話しの中味がよくわからなかったのだが,それはたたかうあるみさんのブログを見てほしい.こういう右傾化した若者が逆に増えている.これはこれまでの教育の結果である.

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 最近『人類は資本主義を本当にこのまま続けられるか~斎藤幸平と水野和夫が次の社会を構想する』と題する,大阪市立大学大学院経済学研究科准教授の斎藤幸平さんと,法政大学教授のと水野和夫さんの対談を読む.
 ここでは今日の世界の根本的な問題が,普遍的に語られている.それはまったくその通りであり,それが地についた日本語でこのように語られることは意義深い.
 しかし,現実にその構想を具体的に実践しようとすれば,それはそれぞれの地での固有性に立脚した実践でなければ根のあるものとはなり得ない.根のある言葉と実践という問題を考え続け,そのための礎となる作業を青空学園日本語科に置いてきた.

 今の世のあり様もまた,まことに酷いものである.それでもこの間,いくつかの新しい動きがあった.
 11月1日の大阪市廃止の是非を問う住民投票でその阻止が決まった.
 そして,12月4日の大阪地裁の大飯原発3,4号機の設置許可取り消しの判決が出た.これは8年半に及ぶ長い闘いであった.「原発の終わりが見え始め早く終わらせるための闘いへと段階が変わった」という言葉を見つけたが,その通りである.
 そのうえで言えば,現在の支配政治と原発は一体である.これを終わらせてゆくために,まさに今の政治を変えなければならない.
 上記のような形の街頭での運動が出てきたことは,一つの段階として新しい.しかしこの道は遠く,先は長い.こちらもできることはしようと街頭に立つ.