3.11から十年

追伸:3月13日 今日は定例の梅田解放区であった.小雨がちらついていたので,東梅田の鉄橋の下に移って,およそ20人が集まり声をあげる.いつものようにこちらは一緒に立ってそれを聞く.たたかうあるみさんがさっそくブログに上げてくれている.

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 世界中で考えても,今の日本ほど酷いところはない.何が酷いのか.それは,この日本の社会での人と人の対話の基盤が崩れていることだ.
 根なし草近代の成れの果てとしてのアベスガ政治.一度も人民闘争を経ることなく今日に至ったこの日本.人を人として認めあわない世,これが今の日本である.働く者の力があまりにも弱いままの日本.街頭に立って,道ゆく多くの若者をながめながら,つくづくとそのことを思う.
 そして,これだけの原発事故を経ながら,どんどん再稼働している.七割以上の人が反対しているにもかかわらず,議論も合意もなく,再稼働されてゆく.
 そのことに対して大きな怒りの声はなかなか上がらない.それでいいのか.このままでいいのか.皆それを訴え,声をあげる.

 以下11日の一文

 あの日から十年が経った.昨日,この十年間のことをいろいろ考えていたら,鹿砦社から『NO NUKES voice』の27号が郵便で送られてきた.いつも献本してくださる松岡さんに心から感謝する.一気に読んだ.
 孫崎 享さん(元外務省国際情報局長/東アジア共同体研究所所長)の「2021年 日本と世界はどう変わるか」の中の「日本は衰退の道をたどっている」は,私がここでいってきたことと同じである.そのうえで「日本の根本的弱点ー自ら進む方向を作れない国」の指摘もその通りであると思った.
 また,森松明希子さん(原発賠償関西訴訟原告団代表)の「『被ばくからの自由』という基本的人権の確立を求めて」には,当事者の心からの訴えに,こちらも心を動かされた.
 今号の『NONUKES voice』のそれぞれの論考は,どれもほんとうに重くまた考えさせられるものばかりであった.ぜひ多くの人が手に入れて読んでほしい.

 そして私は自分のこの十年についてもいろいろ思い起こした.昨年 「3.11の日に考える に書いたので繰り返さないが,やはりわれわれは「震災以降」に書いたように震災以降の日々を生きているのだ.私のひとつのまとめが『神道新論』であった.そして,この書のところからの進むべき道を「根のある変革への試論」で考えてきた.そして今「緑の社会主義」を柱にして考えることを深めているが,しかし道はほんとうに遠い.それでもこれらの営みが,あの震災を自分なりに受けとめるところから,生まれてきたものであることはまちがいない.

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 それにしても,今のこの日本の政治のあまりの酷さである.あの震災を,まさにショックドクトリンとして使い,なされてきた支配政治,それがアベスガ政治である.そしてこのアベスガ政治は,根なし草近代の日本という国の成れの果てでもあるのだ.ここには,世界史的にも深い教訓が潜んでいる.

 これに対する途はあるのか.そのことを青空学園で掘り下げて考えてきた.青空学園はその基礎作業と位置付けてきた.そのようなことをしている者として,できる行動はする.ということで,第2土曜の13日も梅田に行くつもりだ.その報告をここに書きたい.

  写真は甲山を向こうに見るニテコ池ほとりのサギ.