入管法改悪反対!

速報5/18:政府が入管難民法改正案取り下げ方針固める.入管法改正、今国会断念へ
 これはこの数日の全国での闘いの結果である.これを貴重な教訓にしたい.

 今日は,大阪梅田北東すぐの扇町公園入管法改悪反対の行動があり,参加してきた.ここにもあるように,この日の行動は全国でも取り組まれた.大阪の集会とデモの主催は入管事件を闘う大阪弁護士有志の会であった.午後1時から集会をおこない2時からデモに出た.

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 3月6日,スリランカ出身のウィシュマさん<ラスナヤケ・リヤナゲ・ウィシュマ・サンダマリさん(RATHNAYAKE LIYANAGE WISHMA SANDAMALI)>が,名古屋出入国在留管理局の収容施設で亡くなった.
 ウィシュマさんは17年6月に来日し,日本語学校で学んでいたが学費を払えなくなり退学した.留学ビザが切れたという理由で20年8月に名古屋入管に収容された.その後、急速に体調が悪化したが、点滴さえ受けられないまま3月6日に亡くなった
 今日5月16日,名古屋でウィシュマさんの葬儀が行われる.それでこの日,各地で~ウィシュマさんに想いを寄せて~との行動が呼びかけられたのだ.
 会場の公園に行くといつも梅田解放区で一緒になる人らも4,5人来ていた.およそ250人ほどが集まり,1時間以上集会をもった.集会では日本在住外国籍者の支援活動をしてきた幾人もの人の報告があった.熱心に語り私もそれに耳を傾ける.れいわ新選組大阪第5区の候補である大石あきこさんも来ていて熱心に話していた.
 私自身これらを聞きながら,日本の出入国管理行政の非人間性,その酷さを改めて認識した.

  集会のあと,皆でデモをする.梅田の方へ歩く.この日は声はあげずに歩く.

 ウィシュマさんのことは毎日新聞経過を詳しく報道している.これを読めば見えてくるように,日本の出入国管理行政は,非西洋の人に対して非人間的で酷いものである.
 そして日本政府は,毎日新聞にもあるように,ウィシュマさん死亡の経過さえまだはっきりしていないのに,それを措いて入管法改悪法案を来週通そうとしている.12日に行おうとしていたが,それはとりあえず延期された.が政府は18日を狙っている.

 こういう集会に参加すると知りあいに出会う.今日は京都のNさんに出会った.『神道新論』を贈呈した礼をいわれた.Nさんは私が京都ベ平連に参加していた1972,3年ころからの知りあいだ.今日も京都から来たといっていた.

 それにしても,現在の日本政治の酷さである.アベ・スガと続いたこの8年で,日本は国家の体をなさなくなった.法の下に国家があるという立憲主義は,もはや今の日本の政治の現実ではない.直接的な利権の繋がりでのみ動く政治である.その流れの上にオリンピックをやろうとしている.

 この政治の有り様の現実は,日本の根なし草近代の成れの果てというのが私の考え方であるが,しかしそれにしても余りにも酷い.
 非西洋にあって最初に資本主義近代となったこの日本は,非西洋を差別し侵略し,惨禍を引き起こし,そして十五年戦争で敗れた.しかしその総括はなされず,一転して対米従属できた.しかしいま,そのアメリカの没落に先駆けて,この日本の没落が止まらない.

 日本の近代は,明治維新もあの敗戦とその後の戦後政治も,人民の下からの力でうまれたものではない.
 ここからの途はあるのだろうか.それを考えると目の前は真っ暗である.それでも,できることはしなければと思うし,この日誰かも言っていたが,今日のように人々が思いを一つに集まることは,希望である.
 日本というこの国の近代は,いまはじめて,人民の力が世を動かすのかどうかというところに来ているのかも知れない.このような動きにできるだけ参加し,街頭から考え,ここに書き置きたい.