五輪はいますぐ中止しろ!

 昨日の夕方は,定例の梅田解放区に参加してきた.この日の様子はたたかうあるみさんのところにもある.20人弱の人らが集まる.雨もほとんど降らず,いつものところで1時間半,道ゆく人に訴えた.

 東京五輪強行反対,いますぐ中止しろ!
 老朽原発再稼働するな!
 コロナ対策やらないでTVに出まくるおおさか維新・吉村府知事やめろ!

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 いまオリンピックで騒がしい.「三月の終わりに」に書いたのと重なるが,オリンピックとは,もともと,資本主義の拡大にあわせて,近代西洋資本主義の価値観を世界に拡げるためにはじまったものであった.
 非西洋では1964年の日本開催が最初であった.それを再び日本でやろうと,アベが誘致した.彼らのねらいは,「原発事故は終わった」「放射能被害は存在しない」とごまかして現実を覆い隠すことである.福島原発の事故炉の廃炉作業はデブリの取り出しもままならず,あと何十年,何百年かかるかわからない.汚染土や汚染水は溜まり続ける一方である.公共事業で使ったり海への放出したり、汚染物の拡散が目論まれている.
 そしてコロナ渦の今である.IOCや日本政府のこの間の動きを見ると,オリンピックが支配層にとってもつ意味がいっそう明確に浮かびあがる.そして日本政府は,開催さえしてしまえば,メディアを使って,コロナ渦に対する国の無策、責任放棄を忘れさせられると,見くびっている.
 だが,そうはいかない.オリンピックが無事に終わること自体があり得ない.
 日本政府はどうしてここまで無為であり無策であるのか.いまわれわれが生活しているこの国が,いかにに人の道に外れた異様なクニであるか,立ち止まって見なければならない.

 この日は,田中龍作さんの「香港の言論の自由が終わった日」を読んでから出かけた.
 私は,「十六年目の中国 (1991)」にも書いているが,1975年と1991年の2回,中国を訪問している.最初は日中友好協会教職員訪中団だった.二度目は北大阪商工組合の訪中団に加えてもらったのだった.
 毛沢東が生きていた時代と,鄧小平が改革開放という名のもとに資本主義に舵をきったときであった.同じ東アジアで,このような世の試みがあることに,いろいろと思うことごとが多々あった.
 そして今後10年~20年のうちに,先端技術や市場経済において,中国がもっとも力あるところになることは,まちがいない.しかしそれは,あくまで資本主義的価値においてである.資本主義価値において中国が発展し,そして日本がかぎりなく没落してゆく.
 そして中国が資本主義経済において発展すればするほど,政治分野や思想分野で狭量となり,多様性を受けとめることはできなくなる.その度量が失われてゆく.

 こうして,ソ連や中国や東欧の赤い社会主義は終わってゆく.これらは結局,経済が拡大する段階での社会主義であった.
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 私は,この地球上での経済拡大がもうこれ以上不可能になった段階での社会主義を,緑の社会主義と名づけた.その土台とそのうえにある政治や経済の世のあり方を,展開することはまだできていない.
 緑の社会主義は,多様性の受け皿となる社会主義でもあらねばならない.少しでも深めて,次の世代に引きつぎたいものだ.