五輪をやめて,命をまもれ!

 昨夕は定例の梅田解放区であった.奇数月の第四土曜は,中津から梅田までデモをする.5時半に赤いタコのすべり台がある豊崎西公園に集まり,しばし集会をもつ.数人が発言する.たたかうあるみさんの発言.それから梅田に向けてデモをした.

 五輪をやめて,命をまもれ!
 感染拡大,五輪は中止!
 利権にまみれた,五輪はやめろ!
 差別にまみれた,五輪はやめろ!

 みなで声をあわせてゆっくりとあるく.私は先頭で横断幕をもつのを手伝って歩いてので,こちらで撮ったデモの写真はない.

f:id:nankai:20210725094107j:plain   

 今このクニは,原子力緊急事態宣言と,新型コロナウイルス禍での東京都緊急事態措置という,二つの緊急事態の下に,オリンピックを開催している.
 原子力緊急事態宣言が10年も継続する核汚染されたこの土地で,百年に一度の世界的な伝染病・コロナが流行している.世界中で死者が相次ぎ,さらに日本においても爆発的感染拡大の可能性もあるなか,経済的な利益や五輪利権を優先する日本政府は,たかだか四年に一度開催するに過ぎないスポーツの祭典を中止することさえもできないのだ.
 今回の五輪でさまざまに露呈したように,近代の日本というこのクニがいかに酷いものであるか.具体的なことはいちいちここには書かないが,さまざまの五輪関係者たちの愚行がそれを暴露している.そして,それが世界中に伝わってゆく.
f:id:nankai:20210725094151j:plain
 コロナ渦の下の五輪開催は,戦後日本と,さらにそれを掘り下げれば明治維新以来の近代日本の,より本質的な総括を迫っている.
 この,愚行五輪と言うべき五輪は,後世,人類史の曲がり角を示すものとして,世界に伝えられ,記録に残されるだろう.
 アベが五輪を誘致したときに「1%による1%のための大会」を書いたが,そこにあるように,これは日本だけの問題ではなく,オリンピックを百年近くやってきた近代世界それ自体の問題である.

 日本での今回の五輪は大きく失敗する.この失敗を機に,西洋内部でも自らを問うこととして,近代五輪を問い直す議論が拡がるだろう.そして,次の中国での五輪が,最後になるかも知れない.国家の覇権を誇示し強めるための五輪はもう役割を終えている.
 覇権をめざす国家から、脱覇権の人民のクニへ、それが歴史の求めることである.五輪は終わらねばならない.
 私はその次の段階を緑の社会主義と言ってきた.緑の社会主義,その頂はかすかに見えているが,そこにいたる道は深く険しく曲がりくねっている.

f:id:nankai:20210725101415j:plain
 ニテコ池に鵜がとまっていた.