晩秋の梅田解放区

 きのう土曜日の夕方は定例の梅田解放区であった.第4土曜日は西崎公園から梅田までデモをすることになっていると思い込んで,西崎西公園に行くと誰もいない.急ぎ足で梅田まで歩くと,もう街宣が始まっていた.デモをするときは,その前の回のときに終わってからの打ち合わせで確認するとのことで,前回すぐに帰ったこちらのミスだった.
 さて,この日も20人ほどが集まり,声をあげる.

 岸田やめろ!
 辺野古埋め立て不承認を支持!
 最低賃金1500円を実現しろ!
 北陸新幹反対!

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 岸田政権になって,これまで以上の対米従属が,隠すことなく行われている.選挙がすんだら,いきなり改憲をいいだした.これは日本が攻撃兵器を持つことを求めているアメリ軍需産業に奉仕するものであり,いわゆる思いやり予算の増加もそうである.
 京都から来られた人が,北陸新幹線がいかに危険であるかを訴える.リニア新幹線もこの北陸新幹線も,社会生活や経済活動の必要性から計画されたものではない.そこに群がるさまざまの利権が絡まって,冷静に必要性を検討することなど,もはやできなくなっている.

 戦後日本の経済的な拡大は、このようないわゆる箱ものを作ることでなされてきた.しかし,もはやこのような方向での発展は不可能になっている.
 岸田政権も,新しい資本主義などどいいながら,やっていることはこれまでの経済拡大路線である.アベ,スガ,そして岸田と続いた新自由主義政権のもとで,この日本はほんとうに没落を加速した.
 今は,この没落の現実が途方もない格差の拡大として現れている.その根底にあるのは,人の尊厳を認めないアベ・スガ政治とその後継の岸田政治である.そうではないだろうか.
 非西洋にあって最初に資本主義化し近代に入り,それから150年を経たいま,この日本の世は大きな分水嶺に来ている.2年前に「分水嶺にある近代日本」を書いたが,いよいよそれが政治と世の現実となりつつある.
 このようなことも考えながら,しばし街頭に立ち皆と声をあわせてきた.

 今日,日曜日の午前中は地元のスポーツクラブ21甲陽園の主催するペタンク大会があった.鉄の玉を転がして,目印の近くに寄せる競技である.これに参加してきた.晩秋の小学校の運動場ですこし体を動かしてきた.戻って昼を食べてから,これを書きはじめている.

 また藤井牧人さんがネパールでの生活などを綴ったブログを印刷したものをいろいろおくってくれた.これからもおくってくれるという.それで,こちらからは『神道新論』を一冊発送した.意見交換の機会ができればと思う.

 この没落からの反転はそもそもありうるのか.ありうるとしてもいかなる形をとるのか.それはわからない.没落し尽くさねばならないのかも知れない.先日の選挙の結果などを見るとその方向である.だがそれは犠牲が大きすぎる.
 もっと人々が繋がりあい,新しい時代の礎を築いてゆく道はないのか.その意味において,この日の集まりには希望がある.私もできることはしてゆきたい.

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