２０２２年が明けた．今年がどのような年となるのか，それはわからない．ただ，予測しえないことがいろいろ起こる年となることはまちがいない．
年頭，３日は読売新聞大阪本社前での読売新聞への抗議行動．そして昨日８日は梅田解放区で街頭に立ってきた．
３日：読売新聞大阪本社抗議行動
読売新聞と大阪府は包括連携協定を締結した．報道機関が行政と連携すること自体，報道機関本来の意味からすればあり得ない．行政から独立しなければ，客観的な報道などあり得ないからだ．しかし，この日本においては､行政と報道のまさに癒着が現実のこととなった．
これまでは立て前としては独立していた．その立て前もすてて，本音の癒着を正面から打ち出したのだ．
３日は午後１時から２時まで，これに対する読売新聞大阪本社への抗議行動が行われた．今の日本では大々的な抗議行動がまだ起こらない．
それでもなしうるところから声をあげねばならない．それで，これに参加してきた．３０人近くの参加者が来ていた．呼びかけたのはいつも梅田解放区を呼びかけている青年たちだ．
私は『人民新聞』１月５日号掲載の数号おきに担当しているコラムで「日本のテレビも大手の新聞も、報道機関ではない。それらは国民に対する洗脳機関である。」と書いた．今回の読売新聞と大阪府の包括連携協定締結は，まさに新聞が，吉村知事と府政に対する府民への印象操作を担うことを，隠すことなく認めたものだ．
これはかつてナチスが行った手法そのものである．話題を絞り理屈ではなく感情から人々を動かす．これをおこなう維新政治を誰が裏で動かしているのか．いずれにせよその手法はある意味で洗練されている．吉村も松井もそれに乗っているのだ．
この手法が全国化したとき，それはかつてのナチスドイツである．愚かな歴史を繰り返してはならない．
８日：定例梅田解放区
今年の最初の梅田解放区に参加してきた．ほんとうに東梅田は人の行き来が多い．それを眺めながら，若者が語るのを聞き，そしてみなで声をあわせて呼びかける．
日本で再びコロナが増えている．ほとんどは日本にあるアメリカ軍基地から拡がっている．韓国では米兵の入国についても，現地出発時，入国時とPCR検査などを義務づけている．
ところが，９日時点で日本政府はアメリカ軍に対して，なにも求めていない．米軍基地の水際対策は一切ない．ここでも，日本の異常なまでの対米従属の現実が顕れている．
沖縄県の玉城デニー知事は，米軍の入国停止，米軍基地からの外出禁止措置を要請しているが，それは当然だ．
若者の街頭からの訴えを聞いて思う．世界は今，ほんとうに大きな分岐にある．そして，このとき，なぜ日本では人々は立ちあがらないのか．それを思う．それでも，人民の行動こそが歴史を動かす．私はそれを信じている．幕末の一揆、自由民権運動、米騒動のような大きなうねりが必ず来る．必ず人民の一揆は起こる．
根なし草近代の成れの果てに，もうこれではどうにもならないところに来て，人々の怒りが大きなうねりとなる．それが歴史の求めることだ．そうでなければこのクニは沈んでゆくしかない．
私は，非西洋にあって最初に，近代資本主義に入った日本を，内側から見てきた．日本の近代が内発的なものではなかったことは，夏目漱石も指摘しているが，それは現実の歴史のなかでどのようなことを意味するのか．
国際的にも，ロシアとウクライナの問題，中国と台湾の問題と，かつての社会主義と資本主義の間の問題とは異なる問題が現実化している．かつての社会主義陣営と資本主義陣営の対立とは異なる対立である．これは世界史の新たな段階なのか．ここにある問題の意味は何なのか．
ここを見とどけなければならない．そしてその果てからもういちど立ちあがってゆくための準備をこれからも続けたい．この問題意識を少しでも拡げたい．
きのうの街頭行動を終えて考えることである．
