クラス会

 今日は6年ぶりに教え子に会った.数年前,20年ぶりに会った彼らだ.もう今年で46〜7歳になるといっていた.この歳になると,どちらが若いか知れたものではない.イタリア料理店で思いきりワインを飲んできた.もっと高校時代に勉強しておけばよかったという者はいるが,多くは子育てや今の生活に忙しい.そのなかで離婚を経た者もいれば,まだ独り者も少しはいる.先生は今どうしているのかと言うから,君らのおかげで数学教えるのがうまくなって,それでなんとかやっているよとこたえておいた.彼らが言うには,授業は面白かった,ルービックキーブの解法を教えてくれたのを覚えているとのこと.そういうこともあったかという感じである.
 神戸の地震のとき芦屋も大きな被害が出た.このクラスでは,野球部にいたK君が地震で亡くなった.しっかりした字で答案を書く,明るくて礼儀正しい生徒だった.授業中に顔を上げた彼の瞳は今も忘れない.それからNさんのお父さんも亡くなった.大工さんで,朝早く起きて台所へいったときに地震,その場所がつぶれた.お母さんはまだ寝ていて助かった.これは新聞に出ていた.
 あの高校がなぜなくなったのだ.よかったのに,というのは皆,異議のないところだった.それでもとにかく,一人一人が一人前に生きているのを見るのは嬉しいことだ.何とか仕事にありつけた世代だ.今はそうではない.同窓会になかなか集まらないというから,担任が死にそうだといえば集まるよといっておいた.こんなやりとりも人は教師冥利とか言うのだろうが,それにしても時代は移る.それでいいのだが,いろいろ考えさせる集まりであった.これからはワインをさげてうちにおいでといったので,彼らのことだ,きっとそのうちくるだろう.
 私は高校教員をやってよかったと思う.教師の仕事についたのは,結局は,母が戦時中代用教員でその時代を懐かしそうに話していたのを子供心に覚えていて,どこかで教師の仕事はいい仕事だと思ったからだろう.教師の仕事をして,それからいろいろあって,今に至っている.これは必然であり,それしかなかったと今は思う.
 ところで,複素射影平面に異なる4点が与えられたとき,この4点を通る円錐曲線の集合を曲線束という.Q_1とQ_2がこの曲線束に属し,その方程式がf=0とg=0であるとき,同じ曲線束に属する円錐曲線の方程式は,2数λμを用いてλf+μg=0と表される.この曲線束をQ_1とQ_2で定まる曲線束という.ポンスレの定理に関して次のことをデザルグの対合定理などから証明したいと考えるのだが,できずにいる.

円錐曲線Q_0に内接する四辺形ABCDの対辺AB,CDが円錐曲線Q_1に接するとき,Q_0,Q_1で定まる曲線族に属する円錐曲線Q_2で対辺AC,BDが接するものが存在する.■

そもそもこれは成り立つのか.今いろいろ考えているところだ.もし文献などでこの一般化に関して知っている人があれば乞うご教示.
追伸:水辺のシラサギ.10月4日撮す.