2008-01-01から1年間の記事一覧

行く年を送る

今年も今日で終わりです.今年はこれまで蓄積されてきたいろいろな問題が爆発して表に出てきたような1年でした.ここで噴き出したいろんなことは来年さらに深くすすみそうです.このような時代のなかで若い人たちがどのような方向に進んでいくのか,いろいろ…

新指導要領

22日公表された13年度からの高校学習指導要領改訂案で次のような内容が目についた.数学:確率統計が数学Iに.数学Bで確率分布と統計的推測.複素平面が数学IIIで,また曲線の長さも必修で復活.英語:英語の授業は英語で行うことを基本に,となった.国…

禁酒終わる

1週間の禁酒終わる.1週間も禁酒すると人格が変わるかと思ったがなんということはなかった.いかに日頃惰性で酒を飲むのかわかった.これが今回の健康診断で得たいちばんの教訓.酒なんか飲まなくても十分人生に酔っているとも言えるし.次は中江兆民『三酔…

大学祭は何を訴えるのか

今年も11/21〜11/24と京大11月祭があった.大学学園祭である.塾で教えた人が実行委員会をやっていて頼まれたのでパンフレットに「青空学園数学科」の名刺広告を出した.彼らの資金集めへの協力である.それでパンフレットを一部もらったのだがあまりよく読…

健康診断

毎年健康診断を受けている.昨年までは市民病院でしていたが,近所の方がいいと考え今年は同じ地域の医院で受けた.血管年齢は52歳.血管の弾力性が平均より10歳ほど若いことになる.特に何もなかったのだが,唯一,今年受けた医院の診断項目にあった胃のピ…

3の倍数と3の付く数

私は知らなかったのだが,「3の倍数と3の付く数のとき云々」というのがはやっているらしい.それで,こんな数がどれだけあるのか質問があった.問題としてまじめに考えるといい問題だ. を自然数とし,以下で3の倍数か十進法表記で3が現れる数の個数をと…

『解析基礎』第3章

『解析基礎』第3章をあげた.自分で一から証明をつけるのは,教える立場から見てもたいへん大切だということがよくわかる.『解析概論』を参照することが何回あったが,その証明のなかの味わい深い工夫などが見えてきた.それがたいへんおもしろかった.や…

宇治が都市景観の重文に

故郷の宇治が国内初の「都市景観の重文」になるそうである.21日,文化庁の文化審議会(石澤良昭会長)は高知四万十川の文化的景観(5件)と共に重要文化的景観に選定するよう答申した. 報道より:洛南タイムス(昔からの地域新聞),読売新聞京都版,京都新…

勤労感謝の日

11月23日は勤労感謝の日.この日の由来は新嘗祭(にいなめさい).新しい穀物を捧げて神を祭り,自らも食べて,その年の収穫を感謝する神事.農耕文明のなかで長く,家々村々そして天皇家で行われてきた.新嘗祭という収穫を感謝する民間信仰の行事が勤労感謝…

ウェブページの改訂

1999年の夏にHPを作ったときから,左側にフレームを置いてきた.このような形式のウエブサイトは10年前の流行であったが,最近は少ない.サイトの構造が単純な方が,携帯からでも見ることができる.青空学園の本体は文書類の書庫なので,本質的ではないフレ…

『高校数学の方法』第6.8版

『高校数学の方法』第6.8版を作り始めた.いくつか改訂したいところがたまったので,作業をはじめた.今年の1月に第5版,6月頃に第6版と構成を変えてきた.今回読みかえして,記述と問題追加が主なので6版の改訂版とすることにした.年内に第6.8版を作りあげ…

ウエブ散歩

久しぶりに小一時間,ウエブ上の青空学園数学科を検索した.知らないところでのリンクもいろいろあった.まとめておいた. 引用している所も.考えることは楽しい,翻訳ブログ,iner-edu フォーラム,東工大受験学習方法,TETRA'S MATH,資格―学生トーク版,…

会食

11月3日は梅田で,S台のM先生,H先生と会食.いろいろと話しました.4月の続きで2回目です.3人とも数学教育について意見と情熱があるので,議論がたくさんできました.予備校や塾の講師にいまの教育を変えていく力はなかなかないのですが,数学教育に携わる…

『解析基礎』第2章

『解析基礎』第2章がほぼできた.読みかえしているところだ.高校生には少し難しいが読めなくはない.大学初年級や数学教員の人むけになった.いろんな書物を参考にしているが,自分で整理しながら書いてみて『解析概論』のすごさを改めて知った.自然な発…

ノーベル物理学賞

日本人の三研究者がノーベル物理学賞を受賞した.二人は日本国内の研究機構に属し,一人はアメリカの大学にいる.このような基礎研究は大切だ.戦後,日本が混乱していた時代に湯川秀樹の受賞は人々を励ますものだった.基礎研究が世の中に受け入れられ,そ…

秋深まる

10月になった.急に涼しさが増したと感じるのは気のせいだけではない. 『解析基礎』の「微分法」を作っている.いろいろ考えているとなかなか進まない.いろんな人が青空学園のものを読んで,質問や誤植を教えて下さる.最近も「円錐曲線・二次曲線」の誤…

沖縄

今日23日,朝10時半に沖縄那覇空港を発って昼に神戸に戻り,夜神戸教室で授業をしてきた.長い一日だった.次男が休暇がとれたということでわれわれを沖縄に連れってくれた.日曜の昼に神戸を発って2泊2日の沖縄旅行だった.レンタカーであちこちまわった.…

『解析基礎』校訂

昨夜10時頃,京大理学部1回生のS君からメールで『解析基礎』の誤植やいくつかのまちがいを指摘してきてくれた.計算ももういちどやり直してくれていた.それを確認しながら校訂していって,WEB用に組み版しHPに上げ,今朝もういちど読み直した.さらに誤植を…

わからないからあと5分

II期第2週の先週,3年生の各授業の後で話したのは「わからないからあと5分」だ.あちこちで話したり書いたりしているのでこの言葉を知っている人も幾人かいた.しかし実行は意外に難しい. 大切なことは,分からないときまずあきらめないということなのだが,…

『解析基礎』第1章

『解析基礎』第1章を一通り作りあげた.第2章以降に取りかかるとともに,できたものの手直しも進めたい. それにしても日本の教育は質的にも量的にも大変貧しいものになりつつある.今日の新聞に出ていた.日本の教育への公的支出比率なOECD28カ国中最低,な…

明日からII期

明日からII期の授業がはじまる.皆どんな顔をして集まるか.充実した夏だったと思えるような1ヶ月だっただろうか.夏に地力はついただろうか. 私の方は,この週の後半は『解析基礎』の第1章に明け暮れた.あと1週間ほどでできるだろう. このところセミはも…

広島

北九州市の小倉に叔父がいる.父の兄弟は末弟の叔父さんだけになってしまった.昨日,小倉まで会いにいって,叔父夫妻やいとこたちと食事をしてきた. 今日は帰りに広島で途中下車して平和記念資料館に行った.原爆投下から62年.戦争はなくならなかった.朝…

夏期講習終わる

08年の夏期講習担当分が終わった.終わったときはさすがに少し疲れ,早々に引き上げた。今年はどの講義の参加者も熱心で充実していた.よく勉強したと思う.こちらもいろいろ発見があって楽しかった.12年ぶりに誤植が発見されたというオマケもついた. さて…

定積分の定義

ある生徒から,定積分をリーマン和で定義するということはわかったが,原始関数を用いるのも定積分の一つの定義の仕方ではないのか,と質問があった.これについては,いや原始関数を用いるのは定積分の定義になっていない,と答えておいた.その意味を書い…

五山送り火

昨日まで夏期講習の三ターム目.毎日四講座で少し声が涸れてしまった.今年はどの教室もどの講座も皆よく勉強する.こちらの思い込みかも知れないが充実しているように思う. さて,今日十六日は京都五山送り火である.昔はときどきこの送り火を見に出かけて…

夏期講習半分終わる

暑い日が続いています.受験生諸君はクーラーで体を冷やしすぎないように.秋口の夏バテは,真夏の暑さのためかというと,それよりもクーラーで体を冷やしすぎた結果であることが多いようです.私なんかは,夏期は腹巻きをしています.そうしないと胃腸が弱…

区分求積法

「区分求積法」とは何かということについて,高校数学IIIではこれが正しく用いられていないように思われる. 高校の参考書ではを「区分求積法の基本式」ということが多いようである.そのため,高校生は左辺の和の極限が右辺の定積分で表されることを「区分…

高校微積40年の変遷(二)

八月である. さて,この40年での高校微積の変遷でもう一つ大切なことがある.それは1969年の教科書では「数列と級数」が数学IIBにあって,標準的な課程では2年生の文理共通の範囲にあるということだ.無限級数の収束発散の問題もここで扱われている…

明日から夏期講習

明日から夏期講習,汗かきなので暑い時間に移動するのはつらいところだ.夏に力をつけようと頭の汗を流している高校生にまけないようにこっちも気合いを入れて,というところである. 『解析基礎』を書いていくことにした.ある程度の構成ができたので.少し…

高校微積40年の変遷

夏期講習のMKZ(数IIIC)の準備で,改めて現在の数学IIIの教科書を見てみた.2008年現在の教科書は色刷りだけれども内容は少ない.感覚的である.一方,手元に1967年の数学IIIの教科書がある.豊かな内容であり,論理構成もしっかりしている.その違いはあまり…