2010-01-01から1年間の記事一覧
大晦日である.受験生の皆さんは,まさに冬籠もりである.ここでしっかり籠もって勉強すれば春に花が咲く.浮ついた勉強は空しい.最後は自分の力である.試験の場で「やることはやった」と思え,十分に持てる力を発揮できるように,年を越え勉強してほしい…
午前中,JR芦屋駅前までしめ縄を買いにいった.駅前商店街の通りに,何軒か夜店のような出店をして手作りのしめ縄を売っている.たまたま買ったところで,「先生」と声をかけられた.「S君!」.こちらはすぐにわかった.昔働いていた高校で三年間担任をして…
週刊誌『週刊ポスト』(2011/1/1・7号)で,渡辺乾介氏のインタビューに答えて,先日来の市民デモに対する考えを小沢氏自身が述べている.その部分を引用する.全文はここにある. - −この夏頃から全国各地で「小沢支持デモ」というのが起きている。インターネ…
前にも書いたが,冬籠もりという言葉に力を感じる.繭をつくって冬を越す生き物,芽を準備して冬を越す木々,籠もることによって力が内に蓄えられる.こもるという言葉は,魂がこもるという意味に深まる.親鸞は六角堂に籠もって95日目,救世菩薩の夢告に出…
2010年度のII期が昨日で終わり,今日は1時間だけ授業があった.去年,今年とこれまで以上に粘り強く考える生徒が増えて,おかげでこちらも別解が増えたり,教材面からも新しい発見があって,たいへん楽しい本科授業であった.最後の週に京都教室で,08年の早…
先に「秋深まる」でアメリカがファシズムに向かうのではないかとを書いた.そこで「時代は厳しくなる.それだけ面白くもなる」といったが,「面白くもなる」は取り消し.事態はもっと深刻だ.アメリカの現状について,私の見解に対してその根拠となること述…
植草一秀氏の著『日本の独立』を読む.2010年12月6日第1刷発行,となっているのでそれより早く本屋に出たのだ.副題が「主権者国民と『米・官・業・政・電』利権複合体の死闘」で,これが本書の内容を一言で表している.事実に基づく説得力のある内容で,午…
雑誌『週間金曜日』2010.11.12 号で,龍谷大学の教員で,現在パリ在住の廣瀬純さんが,「理念をもっていきること」と題して,年金改革に反対するフランスの息吹を伝えておられる.廣瀬さんはアルゼンチンの闘いを紹介する『闘争のアサンブレア』も書いておら…
昨日土曜日,『検察の横暴を糾弾しマスコミの偏向報道にNOを突きつけ、政治のあり方を問い直すデモ』があり,参加してきた。ざっと見たところ500人以上の参加者であった.こっちは誰から誘われたわけでもなく,ネットの情報だけで行くことにした.参加者は,…
昨日の京都の授業で,90年の東工大の問題を勉強した.先週聞いたところ,受講生の中で『天書の証明』の英語版を読んでいる人と,『数学ガール』を読んでいる人がいて,公式 を知っている人があわせて2人いた.それで,この東工大の問題にあわせて,上記公式…
この十日ほどは,授業と問題作成の締め切りに終われ,他に何もできなかった.休養をとっておられた先生も復帰され,問題作成も一通り終わり,やっと今日東工大AOII番の2の解答が作れた.三角関数の値は求めていない.三角関数で表せば十分だと思う.1週間ほ…
季節はめぐる.秋深まると思う間もなく,寒くなってきた.間のない激しい気候はこの時代を象徴しているのかも知れない.いろいろ考え書き足してしまった. この20日ほど『射影幾何学』(秋月康夫,滝沢精二著,共立出版,1967年第3刷)の1章「射影幾何の公理」…
ようやく『パスカルの定理と幾何学の精神』の本体を書きはじめた.予定よりも少し遅れ気味である.仕事の方で代講や個別指導が増えたことなどもあるが,射影幾何はやはり奥の深い世界でいろいろ図を準備したり,途中でクラインを読んだりと時間がかかった.…
昨日,古本『19世紀の数学』(クライン,共立出版,1995)が来たのでこれを読みはじめた.「純粋射影幾何学の体系化」というところを読みたくて手に入れた.それを一気に読んだ.複比というものの本質的な意味は何だろうか,と考えていて,ここが読みたくなり…
『数学対話』「デカルトの円定理と一般化」に「3次元のヘロンの公式」を追加した. アレクサンドル・グロタンディーク(Alexander Grothendieck)という数学者がいる.あるいはいた.昔東北大学にも来ていたことがある.数学者となってからのもろもろは,例え…
一気に秋である.秋とともにいろんな問題が表に出てきた. この数日,中国漁船の船長逮捕の問題で「粛々」という言葉が政府の方からよく聞こえてくる.この場合は「粛粛」と書くのが正式なのだが新聞はもっぱら「粛々」である.これはどのような意味か.政府…
ようやくに朝夕秋の気配である.次の,古今集第六十九番,藤原敏行の歌.中学で習ったとき以来,たいへん好きだ. 秋立つ日、よめる 秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる この歌を2007年は8月27日に,ここに書いている.もっとも,藤…
『死に至る地球経済』(浜矩子著,岩波ブックレット)を昨日の帰りの電車の中で読み,先ほど再読した.2008年9月のいわゆるリーマン・ショックから2年,問題は何も解決していない.それどころか,ギリシアに見られる国家財政破綻の危機,アメリカ経済不況,日…
名護市議会選挙で辺野古移設反対派が過半数を占めたことに対し,『「政府高官」は「終わりの始まりだ」と悲観論を述べた』と報じられた.防衛省の幹部であろうが,ここに日本政府と官僚機構の現在がある.何が悲観論か.われわれにとって名護市議選挙の結果…
この2,3日かけて『ポストモダンの共産主義』(ちくま新書)を一気に読む.著者はスラヴォイ・ジジェク.1949年生まれ.同世代であり,1968年の時代のなかで考えはじめた人である.旧ユーゴスラビア連邦・スロベニア出身の思想家,哲学者にして精神分析家であ…
『幾何学の精神』のパスカルの定理の証明に「三線座標の方法」を加えた.やってみると『数学対話』の「重心座標」と途中から同じになる.昨夜寝ているときに,三線座標の方法も整理しようと半分夢の中で考えて,朝起きて一気につくってあげておいた.HTMLフ…
『重心座標』を上げた.これで岩田至康編の『幾何学大辞典第1巻』に載っているパスカルの定理の証明はすべて後を追い青空学園に載せることが出来た.今回も入り口は入試問題から材料をとった. このような線型幾何の分野が高校数学の中でますます量的にも質…
残暑お見舞い.いつの間にか9月である.セミはもっぱらツクツクホウシの声ばかりになり,夜の窓の外では虫の声が大きく聞こえるようになった.しかし昼間はあいかわらず暑い. CDRにTeX原稿その他を焼いて実費で配付して8年になる.この間およそ250枚が配付…
M3Wの添削が終り事務室に届けてきた.今年は本当にたくさん添削をしている.授業をしての添削なので,これは教える側へのフィードバックになっている.こんなところで間違えるのか,このように置くことができないのか,などなど教えられることが多い.1993年…
夏期講習の担当分が終わった.来年のための解答の改良など,いろいろ片付けをしたところだ.こちらにも新しい発見があって充実していた.はじめて会う人も多く,初日は少し堅いのだが,5日終わると親しくなって昔から知っているような気持ちになる.みな本当…
04三重大・教育後期に次のような問題がある.夏期講習でもテキストに載せている.いい問題だと思う. 自然数1,2,3,…全体を二つ以上のグループに分けることを考える.ただし各グループは無限に多くの自然数を含み,それらが等差数列を成しているものとする…
■ 1枚の硬貨を2N回投げてN回以上連続して表が出る確率を求めよ. という問題と,途中までの解答と質問がメールできたのは7月25日.翌日に 「はじめからk回目までにN以上連続して表がある確率を.すると . とこの先は等差数列になる. より」 と解答しておい…
今日いちばん心を動かされたのは原爆直撃「私の身代わりに…」長崎の女性、遺族と対面 と題する朝日新聞の記事だった.読んでみてほしい.弟を原爆で失った女性の65年目に描いた絵が,自責の思いをかかえてきた女性をひきつける.戦後の人生がそこで出会った…
夏期講習が半分終わった.M3Wは講義とテスト演習で,解法の着眼点など,問題の見方と解き方の実践訓練だった.3日目のテストゼミ問題は図形でみな苦手,なかなかできない.それでそれは宿題にした.翌日回収するとみなよくできている.ほとんどの人が家でも…
森毅先生が亡くなられた.先生には大学に入ったばかりの頃,解析と数理統計の授業を受けた.数理統計の前期試験の問題が今も手元にあるのでそれを紹介しよう. 右図のような島がある.ある男が酒場(B)を出て,家(H)へ帰ろうとするのだが…….(G)へ行く…