ストップ!TPP緊急行動

 午後3時頃から,TPPに反対する緊急行動のデモに参加してきた.これまで関電前の行動で一緒だったTさんの誘いである.およそ300人というところであろうか.大阪は西区のうつぼ公園に集まり,集会のあとのデモであった.こちらはデモにようやく間に合うという参加であった.デモの先頭には,自由党山本太郎さん,社民党服部良一さんらが参加しておられた.それに続いてむしろ旗.それからいくつもの隊列が続く.
 実は今日は朝4時半に起きていた.ドイツにいる次男一家が,日本での用事がいくつかあり,十六日間日本に滞在,その半分ほどはこちらに居候していた.今日ドイツに帰るということで,朝一番に起きて関空まで電車と空港バスで一緒して見送り,孫たちにまた会おうねとわかれてきた.それから戻って一休みして,うつぼ公園まで出かけてきた次第である.
 TPP承認案をめぐって,「強行採決」の暴言をした山本有二農水相が,実は昨年TPP交渉「大筋合意」撤回を求める署名に応じていたことが赤旗で暴露された.この署名は、全国食健連(国民の食糧と健康を守る全国連絡会)がよびかけ,(1)TPP「大筋合意」の詳細と協定本文を速やかに開示し国会・国民の議論を保障する(2)国会決議に違反する「合意」は撤回し,協定への調印・批准は行わない―の2点を求めるものであった.これに署名した.この大臣は金のためなら何でもするという人のようである.「TPP強行採決発言の山本有二農水相が輸入米の業者からカネ! TPP推進のために輸入米不正取引を見逃しか」.こういう人間が,世界史的にも大きな問題であるTPPの所管大臣であるところが,末期的資本主義の現在の有様である.
 そして,アメリカでも批准が難しいものを先に日本で批准させて,ヒラリーが大統領になったら,前言を翻させて批准に向かわせる.これがTPPをあやつる国際金融資本の思惑であり,それに忠実な安倍政権の動きである.国家よりも国際資本を上位に置く.これが複数の国家間で制度化されるのはTPPが初めてである.同時にそれは,資本主義が,そこまでしなければ従来のような利潤を上げられないようになっていることを示すものだ.
 これに対抗するには,これまでの経済を人間の上におく価値観をのりこえ,人間原理にもとづく生き方を可能なところから作ってゆかなければならない.状況を外から見るだけではなく,それを越えてゆく人間をどのように生みだすのか,いやその前に自らの生き方をどのように動かしてゆくのか.問題をそのようにたてる.デモをしながらいろいろ考えた.こちらに考える力のあるうちにしておくべきことごと.数学のいくつかの問題.日本語とその再生と,このような転換期と一人一人の生き様.その世界史的意味.等々.デモはいつでも考える場である.でもが終わってから難波でTさんといろいろ意見交換.なかなか考えさせられる.そして梅田に戻り,かつての行きつけの飲み屋で一献二献.それから戻ってきてこれを書いたところである.