センター国語で転けた

今年も理系で数人「センター国語で転(こ)けた」という人が出た.その一方で,9割以上とれた人も結構いて,差が大きかった.数学の問題を解けば,同じクラスの他の人より発想も実行力もあるのに,センター国語が半分ほどしかできていないのだ.小説と漢文がほとんどできなかったようだ.

1,2年生の人に呼びかけたい.国語の力をつけておかないと,いくら数学をやっても,結局,センター国語でおお転けして,志望校をかえなければなる.センター国語で転けないためのプロジェクトを自分で考案して,今からこつこつ勉強していこう.

勉強の方法』にも書いてあるが,国語力をつけるといっても,それは結局,読んで書く訓練をすることでしかない.

書くことは考えることを可能にする.「手で書いて考える」ことが大切なのである.人間の心の奥にあって表面的な意識には浮かばないことも,手で書くことによって現実のものになる.手で考えてこそ,問題に対するいい着想が思い浮かぶ.手で書くとき,それまでに蓄えられてきた知識が無意識のなかから浮かび,それが現在の問題と結びついて,新たに発展する.
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自分で何か現代文の参考書をさがし努力してほしい.そしてとにかく書く.文章を読んで,四分の一に要約したり,十分の一で大意をまとめたり,二行で骨子を書いたり,一言で表題をつけたりしてみる.昔の高校生は文系理系に関係なく,この訓練を自分に課して,とにかく書いたものだ.これがあればセンター国語でおお転けすることなどない.そしてそれがほんとうの論述力をつける.

時間を作って,基本的な論理訓練のテキストを準備したいと思っている.