意識を持続する努力を

国語の力がどうしてこんなに落ちてきたのか考えている.社会的なものであり,例えばテレビの影響は大きい.

最近,民放のテレビ放送を見ていると,話がここというとき,いちばん知りたいところにきたとき,必ずCMが入る.そこで話題に対する意識の持続がとぎれる.国語の問題を読んでいて,ひとつの段落を読み終えたところで,CMが入ったりすれば,文意がつかめなくなるのは当然だ.全体がつかめなくなる.

昔のテレビは,はじめと,15分目と,終わりというように,時間で区切ってCMを流していたように思う.今のように細切れに,話の先を知りたいところでCMを入れる手法は,この20年くらいのものではないかと思う.このようなテレビを見て育てば,国語ができなくなるのは当然だ.

民放は放送内容より,どれだけ高くCM代がとれるかが第一なのだ.そして青少年の考える力が伸びることを阻止している.教育再生などという前に,このような現状を問題にすべきだ.

高校生の皆さんは,基本的にこのような番組にはまりこまないようにしよう.このような放送に慣れてしまうと,センター国語で転けること必至である.ひとつの問題,ひとつの文章に手をつければ,全体がつかめるまで意識を持続させる.これは訓練だ.テレビがやっているのは,この訓練の逆のことだ.