フランス紀行4

nankai2009-07-26

 今回の旅も後半に入る.昨日はプロバンスの古代遺跡をまわってきた.ローマ時代の遺跡である.晴れわたったプロバンスの空気と太陽の下を歩きまわった.1日の駆け足ではこの地方の生活は何もわからない.せめてゴッホのひまわりの絵の風光を味わっておこうということである.
 ローマの古代水道橋.アビニョンの橋.いずれも古代ローマの遺跡だ.フランスにはこのような古代から続き,そして十三世紀に途絶えた地中海文明がある.これは今ももう一つのフランスとして息づいている.
 地中海につながるプロバンスといっても,緯度は北海道より高い.北海道でスペインの緯度である.日差しは強いが日陰ではひんやりする.空気が乾いているので,ボウフラも育たず蚊が少ない.
 夜の9時頃まだ明るい外で食事をしている.なるほどこの地方の人はこのような風土のなかで生活してきたのだ.それがわかった.生物の多様性ということで言えば,温帯モンスーンの日本列島弧の方が圧倒的である.
 セミ,クマバチ,トンボを見た.古代ローマの水道橋の周辺で昆虫たちに出会った.セミはツクツクホウシほどの大きさだが鳴き声はクマゼミである.クマバチは全身真っ黒で日本のと違う.
 トンボもムギワラトンボの種類だろうが,黒いところが少ない.アリジゴクの巣も見つけた.やっと,昆虫たちに出会えた.それでもチョウチョウやガはまったく見かけない.トンボも1種だけである.甲虫も少ない.昆虫の種の少なさにむしろ驚く.フランス料理も飽きてきたので,レバノンの料理を食べた.どれも野菜が豊富であった.