歳末の梅田解放区

 23日の夕方,今年の最後となる 梅田解放区 に参加してきた. 
 いつものように20人ほどが集まり,東梅田の歩道の両側に立って,戦争反対を訴える.そして軍拡を進める岸田政権を倒そうと呼びかける.

 街頭に立っているこのときも,イスラエルによるパレスチナ侵略は続き,多くの子供が殺されている.イスラエルは難民キャンプも空爆し,そのたびに多くの人が殺される.ガザ南部では医療が崩壊し,食糧危機も続く.
 なぜんこんなことになるのか.

 日本政府の2024年度当初予算は,軍事費が過去最大の7兆9496億円となり,前年度から1兆1277億円の増加である.しんぶん赤旗24日号が「主張」で「常軌逸した『戦争準備』予算」といっているのはその通りである.
 政府は22日,「防衛装備移転三原則」も改変した.三原則本体の改定は約10年ぶりである.武器輸出政策を大幅に転換し,ミサイルや弾薬など殺傷能力のある武器輸出の解禁に踏み切った.
 これは明らかに憲法9条に反する.もともとの武器輸出三原則は国会審議を通じて確立された.にもかかわらず,今回の三原則改訂は閣議で,運用指針は国家安全保障会議で決定された.国会での議論はなかった.
 与党だけの閣議で,戦後78年間のあいだ戦争なしでやってきたこの国のあり方が変えられた.武器輸出原則の変更は,バイデン・アメリカ政権の要求であり,その背後にあるのは国際的な軍需産業である.
 そして,イスラエルとそのガザ攻撃の背後にあるのもこの国際軍需産業である.日本の三菱のような大企業もまたこの軍需産業と繋がっている.
 まさに,現代の資本主義がこのような政治的,社会的危機を生み出している.

 ここ梅田で,6年にわたって戦争反対を呼びかけながら,戦争拡大の流れを止めることはできなかった.戦争が拡大するなかで,ますます日本は,アメリカとその背後にある国際軍需産業に隷属する国になってしまった.
 「イラク戦争反対! 叡智を集めてアメリカ問題からの活路を見いだそう」を書いてから20年である.この間,戦争は逆に世界に拡がった.何ということだ.
 それでも,この中にあってこそ,戦争反対! を叫び続けなければならない.
 道ゆく人びとを眺めながら,それを思う.

 23日の午後,私は参加できなかったが,夢洲カジノを止める大阪府民の会 が主催する「万博中止!カジノはいらん!御堂筋 1000 人パレード」もあった.これについては,緑のニライカナイ さんも詳しく伝えてくれている.
 そして,たとえ維新政治が万博を強行しても,それがどのような形で現実化するかはまだ分からないが,必ず失敗する.
 イスラエルのガザ侵略,日本における万博やカジノ,いずれの背後にも国際的な金融資本がある.これが今日の資本主義そのものである.資本主義を根底から変えないかぎり,戦争は終わらない.カジノによる収奪も終わらない.

 さて,もう年末だ.地元では,27日,28日の夜は町内を「戸締まり用心! 火の用心!」と拍子木を打ちながらまわる.
 このような地域の年中行事はこれからも続けたい.戦争の時代になって,よけいにそれを思う.
 2023年はこうして終わる.2024年は,歴史の転換が具体化し現実化する.この時代こそ,行動しなかればならない.それが問われる.
 ともあれ,みなさんよいお年をおむかえください!