『リーマン論文集』を買う

nankai2007-06-19

 『リーマン論文集』を買う.学生時代にドーバー社のネーターとウエーバー編集の『リーマン全集』を買っていて,今も書棚にある.そしてそれにはドイツ語を読もうとした若いころの自分の書き込みがあって懐かしいのだが,しかしドイツ語はもうだめだ.数論のところを読みたいと思い,日本語訳があるので買った次第.早速,デデキントによる「ベルンハルト・リーマンの生涯」を授業の前に読んだ.まことに心温まるものだ.

 ゲオルク・フリードリヒ・ベルンハルト・リーマン(Georg Friedrich Bernhard Riemann, 1826年9月17日〜1866年7月20日).彼の生きた時代は日本でいえば江戸末期でありる.1848年2月,パリでは労働者、農民、学生のデモ、ストライキが革命に発展.これがヨーロッパ各地に波及.リーマンの学生時代は三月革命といわれる激動の時代であった.ショパンのピアノ協奏曲を聴けば,あの時代の雰囲気がわかる.リーマンは敬虔なキリスト教徒の慎み深い家庭で育ち,ひたすら数学に打ち込んで長くない生涯を十分に生きた人であった.

 いささかでもその論文の自然で奥深い思想に触れたいものだと思っている.