高校微積40年の変遷(二)

nankai2008-08-01

八月である.
さて,この40年での高校微積の変遷でもう一つ大切なことがある.それは1969年の教科書では「数列と級数」が数学IIBにあって,標準的な課程では2年生の文理共通の範囲にあるということだ.無限級数の収束発散の問題もここで扱われている.無理関数や分数関数も数学Iにある.だからこの時代,数学IIIはいきなり微分法から入っていた.今は違う.無理関数や分数関数,数列と関数の極限がすべて数学IIIになるのだ.数学IIIの教科書のページ数は今も昔もあまり変わらないが,肝心の微積に割かれているページ数は今は昔の半分だ.無限級数の収束発散はやはり微積と結びついた方がいいので,ここまで2年課程に入れるのがよいかどうかはわからないが,とにかく40年でこれだけ変わってしまった.
写真はアブラゼミ.最近はクマゼミにおされ気味である.