わからないからあと5分

II期第2週の先週,3年生の各授業の後で話したのは「わからないからあと5分」だ.あちこちで話したり書いたりしているのでこの言葉を知っている人も幾人かいた.しかし実行は意外に難しい.
大切なことは,分からないときまずあきらめないということなのだが,しかしやみくもに考えてもなかなか糸口は見つけられない.『高校数学の方法』「糸口の見つけ方」に整理してある.とにかくもう一度問題を読みかえし,条件と結論,それまでにわかったことを整理する.ここから考えるという地点を確かめる.頭の中をを整理して,そしてもう5分考えるのである.
野球の守備練習で,もうへとへとになってもノックの球は飛んでくる.夢中で球に飛びつく.このなかから守備ということを体が覚える.とっさの動作ができる.問題を解くのも同じことなのだ.ただ,こちらは外からの強制は無理だということが異なる.自分で意識的に,わからないところからもういちど考えるという訓練を重ねなければならない.
受験勉強でこういう経験を積むことは,必ずこの先大きな力になる.