『解析基礎』終章まで

『解析基礎』をとにかく終章まで作った.半年がかりだったが面白かった.高校生に数学を教えるという点からいっても,この辺りまで証明をつけてみて,いろいろわかることがあった.さらに練習問題や多くの例を作る方がいいのだが,その時間があるかどうかはわからない.高校3年生の頃,実数のカントール流の定義とデデキント流の定義が同値であるということを大阪教育大の黒崎達先生の本『数学原論』で読んで,よくわからないままに,定義の同値性ということにひどく感動したのを今でもおぼえている.今回それを自分で確認することができた.
日本の高校数学の内容を批判する人は多いのだが,正していこうとする人はいない.同じ思いをするものがもう少しまとまって声をあげられないものか,ということを考えている.