『高校数学の方法』第7版+小沢辞任について

nankai2009-05-11

『高校数学の方法』第7版を作り始めた.最近の入試問題を例題などに取り入れ,解説内容を増訂したいと思っている.『高校数学の方法』は『数学対話』とともに,高校数学に対する考え方をのべたものだ.材料はすべて高校数学を出発にしている.『数学対話』はそこからずいぶん先まで行っている.高校数学がどのような世界のなかにあるのかを明らかにしようとした.『高校数学の方法』は受験数学範囲で,数学の方法を意識的に考えるものだ.難易度はあまり気にせず書いているので,参考書まで一通りやっていることが前提であるが,真剣にやれば実力を飛躍させることができる.第8版で打ち止めにするつもりなので,その一つ前の版である.
今年の授業も数回終わり,参加している人の力がだいたいわかった.京都・大阪のMKZ,京都のMKXとも,例年になく水準が高い.こちらもいろいろ別解を考えさせられる.おそらく全国的に見ても高い水準のクラスだろう.そこで出てきた話題も『高校数学の方法』に取り入れたいと思っている.一月ほどかけるつもりだ.
写真は「エゴの木」の花を下から写した.エゴノキ科の落葉小高木、または高木。初夏、白い漏斗状で深く五裂した白い花冠を持つ径約二・五センチメートルの花が、長い柄の先に垂れ下がって咲く。材は硬く、器物、杖などを作る。ろくろの持ち手にも使われるのでろくろ木ともいう.実に有毒物質が含まれ、のどを刺激し、えごい感じを与えるのでこの名があるという。
夕方になって小沢代表辞任が飛び込んできた.
問題の本質は,前にも書いたが日本の進路をアメリカとの関係でどのように進めていくのかという,日本の今後の国家としての方向の対立である.小沢代表は「極東の米軍は第七艦隊で十分だ」と発言し,それが,今後ともアメリカに従属することで利益を得ようとする,日本の官僚機構−外務省−アメリカ従属財界の反発を招き,国策捜査となったのである.正論を言って攻撃されたのである.
小沢代表はアメリカの傲慢さを批判し「アフガニスタンにいくら増兵してもアフガンの人々に支持されないで勝てるわけがない」,「日本はアメリカ,中国と等距離で対等につきあうべきだ」と発言してきた.そこに「極東の米軍は第七艦隊で十分だ」という小沢発言が飛び出した.駐留米軍は必要ないと言うことである.現代史をよく考えれば,いずれも至極まっとうな見解である.
オバマ大統領になってクリントン国務長官がまず日本や中国にやってきたのはどうしてか.アメリカは日本に頼らなければ経済危機を乗りこえることはできないのである.アメリカは経済の立て直しに今後膨大な国債を発行しなければならない.日本と中国がこれを引き受けなければ,ドルは暴落する.引き受けてくれますかということを確認しにやってきたのだ.ところが小沢代表はクリントン国務長官にもなかなか会おうとせず冷たかった.そこで小沢秘書逮捕である.
世界はアメリカ後で動いている.世界恐慌の中でアメリカの覇権は崩壊しつつある.新しい時代に大転換しつつあり,これはもはや権力の恣意ではどうにもならない.今回の小沢辞任で,日本では対米従属派が自民党民主党を問わず強くなるだろうが,それは日本がアメリカと心中する道である.それも避けがたいのならアメリカと日本,一緒に没落するしかない.
自民党細田博之幹事長は12日午前の記者会見で、「(辞任の)最大の原因が政治資金規正法の違反問題にあることは明らかだ」といっているが,これは背後の勢力をかばい真実をごまかすためにいっているのである.あえていうのはおかしい,何か隠していると見なければならない.それにしても情けないのは,まず共産党であり社民党である.権力から攻撃を受けた小沢を擁護しなければ野党の意味がない.それを金権体質は自民党と同じだとか説明責任を果たしていないとか,まったく本質と関係ないところで小沢批判をやっていた.権力に攻撃されたものは,まず守り,攻撃の意図を暴く.それが野党というものだ.また破廉恥なのは前原をはじめとする若手の民主党員である.先頭に立って闘ってきた小沢代表が攻撃された.なら,なんとしても代表を守り突破しなければならない.ところが彼らは小沢やめろの合唱である.民主党の支持率が落ちたのは小沢のせいではない.党首も守ろうとしない民主党若手に国民はそれでも人かとあきれたのである.小沢辞任は内部に向けた問いかけでもある.今の民主党はこれにどう答えるのか.
検察が意図的に情報を流し,マスコミがそれをそのまま報道し,国民がそのまま信じる.これではかつて戦争に進んでいったときと変わらない.どうか報道をそのまま信じることはせ,ず自分で調べるようにしてほしい.そして自分の見解をしっかりもつようにしてほしい.