憲法記念日

nankai2009-05-03

 今日は現憲法が公布された日。大阪であった第9条をかえることに反対する集会に参加し、同じ講師仲間の先生と一緒に久しぶりに大阪の街をデモしてきた。現状が憲法にあわないから解釈で改憲し、軍隊を海外に出そうという動きが、1992年のPKO以来の一貫した流れだ。ソマリアで「海賊」が出るからと自衛隊を派兵する。それは憲法違反だ。 憲法9条国益のために派兵することを禁じている。つねに軍隊は国益を理由に派兵され実際は侵略をおこなってきた。そのことを省みて、日本国憲法では国益を含むすべての理由による派兵を禁じている。ではどうするのか。憲法の理念ではどうすべきなのか。ソマリア沖を迂回すれればよいのだ。時間と金がかかるが、それは9条を実践するコストである。そしてなぜそうするのかを世界に説明すればよいのだ。そのうえでソマリア「海賊」の真の原因である彼の地の貧困に対しなし得る援助をする。海賊をしなくても生活できるような基盤整備のためにできることする。これが憲法の方向だ。違うやり方があることを世界に示すのである。ところがこれに逆行し、解釈改憲だけではなく、前文と条文を根本から変えてしまおう、つまりは別の憲法を作ろうという方向が、この50年続き、いま9条廃止にむけた動きが実際に始まっている。皆さんが参政権を得る二、三年後、憲法問題は今よりもっと煮詰まっているだろう。今からよく考えていってほしい。集会は白髪の人が多く、 同年配が過半数であった。若い人が行動することを待っている。
 昨日京都で「憲法9条京都の会」が「今、9条が輝くとき」と題した集会を京都市東山区円山公園音楽堂で開いた。ノーベル賞の益川先生もあいさつされた。 京都新聞赤旗なんかも報じているが、今日の集会で聞いたところではもう少し激しい意見の表明であったようだ。先生の情熱には心動かされる。3日には東京でも集会があり益川先生はデモの先頭である。
 夜はETV特集今憲法25条”生存権”を考える(270回、5月3日)』と題する内橋克人さんと湯浅誠さんの対論を見た。憲法25条は人間としての生存は権利であると宣言している。ところが若者が「生きさせろ」と声をあげねばならないのが今の日本社会である。生存権の思想の歴史などよくわかるものであった。そして湯浅さんが、「場を作っていく。質より量で作っていく。それをする人を活動家というのだ」と言っていたのが印象的。青空学園数学科は、高校数学の内容が貧弱になっていくなかで、それでも考えようとする高校生の拠り所となる場を作ろうとしてきた。仮想空間のなかでしかなかったが、反貧困で人々の寄りあえる場を作ろうという意見には共感した。私としてもいろいろ考える一日であった。写真は尺取り虫.蛾の幼虫である.