フランス紀行1

 19日からフランスに来ている.南フランスのいくつかの地方を訪れるのが目的である.日本との時差は7時間.日本時間から7時間引いたのが現地時間である.
 19日はパリ・モンパルナス泊.パリは緯度が高く夜の9時半になっても明るい.空気は乾燥していて,気温は23度.日本の秋の初めという感じである.モンパルナス界隈には日本食の店が5,6件あるのだが,どこも「すし+焼き鳥」である.アジア系の人が日本食としてやってきたのだ.最近では本当の日本料理はこれだという店もパリにできているが,日本料理がこのように少し形を変えて広がるのはそれはそれで面白い.結構流行っていて,フランス人が店先のテーブルで箸で食べている.20日朝はパリの街を歩き回った.表通りを一筋裏に入るとはっとするような街角の景色がある.

 それからアンジェに移動.20日はアンジェ泊.ロワール川支流メーヌ川流域の古い町である.旧石器時代から人間が住み着いてきた.古城と教会の間の一番古い街の一角の石畳を歩いた.街全体が古くからの石の建物であるが,そのなかでも,この辺りはとくに古い街だ.この石の文化に触れると,やはり木の文化の日本との違いを深く感じる.人間の考え方というのはそんなにあっさりとはかえられないもので,簡単には水に流せないのだということを基本にする文化である.一年ごとに世が改まることを基本にする文化,もちろんそこにも変わらないことがあるのだが,その文化とは,いずれがよいとかいう問題ではなく,違いについてはいろいろ考えさせられる.夜,長男と落ちあって夕食.彼は2年間ここに住んできた.身内に生活しているものがいて,こちらが旅して落ちあうというのは不思議な感じである.アンジェも夜の9時半でも明るく,いくつもの人の輪がテーブルの周りで食べて飲んでいる.
 さて今日はリヨンに移動.だんだん南に移動するほど暑くなる.写真はメーヌ川に沿うアンジェ城の塔と教会.