フランス紀行2

nankai2009-07-23

 昨日はリヨンの街を歩きまわった.ローマ時代の植民都市に起源をもつ古い街である.何となく京都のような落ち着きもある.丘の斜面の旧市街からルネサンスの頃に拓かれた街区まで歩いた.そのむこうにさらに新しい時代の街が広がる.いろんな人がいる.昼間から公園で年寄りも若者も輪になって何か議論している.
 リヨンはナチス支配のとき,それに対するレジスタンスの中心だった.ホテルの近くにも,ドイツに殺された犠牲者の碑があって,21歳の若者から66歳の人まで5人,1944年8月26日に殺されたと名前が刻んである.街のどこかにレジスタンスを闘いぬいた誇りが生きているように思うのは,こちらの深読みだろうか.
 一昨日もフランス新幹線TGVで移動したのだが,都会をでるとすぐに雑木林と広い草地である.パリ近郊からリヨンまで途中は日本の北海道の牧場のような景色だけが見渡すかぎり続く.所々で2,30匹の牛が草を食べている.乾燥地帯であるから,農業の生産性はそんなに高くない.それでもフランスは農業国である.農業を大切にしている.日本のような湿潤さは農業に有利なはずだが,日本が農業を大切にしているとはいえない.
 今回は夏のフランスなので,いろんな昆虫に出会えるかと期待していたが,これだけ緑は多いのに昆虫は少ない.セミの抜け殻は見つけたがセミは見なかった.昆虫だけではないが生物は日本の方がはるかに多様だ.温帯モンスーン気候と偏西風の吹く乾燥した気候の違いである.それでもあきらめずに昆虫はさがしてみよう.
 追伸:午後はモンペリエに移動.モンペリエに着く.駅についてすぐに,ああここは地中海に面するところだとわかった.植物が違う.風が違う.
 南仏にやってきたのだ.街路樹もシュロが目立つようになった.
 モンペリエを首府とするラングドック・ルシヨン地域圏は近畿途方と同じくらいの広さがあるが,人口は新潟県くらいである.一歩都会の外に出ると,オリーブの木々と防風林にはさまれたブドウ畑がつづく地中海性の景観が広がる.数日ここに留まり,ここからあちこちに出かける.あとの2枚はモンペリエ