フランス紀行6

nankai2009-07-30

 ミラノ・マルペンサ国際空港までやってきた.荷物も渡した.WiFiの無線ネットがつながった.イタリアはフランスよりも混沌としているが,みんな生き生きとやっていると感じた.南イタリアはまた違うのだろう.それぞれの所で,人々が生きている.これからパリを経由して,日本時間で31日午前に関空である.そろそろ日本のことごとを考えなければならない.はじめにパリに着いたときのことがはるか昔のように思えるのも,不思議な感じである.写真はミラノ大聖堂.イタリアにはゴッシク建築は多くない.ミラノの大聖堂はフランス人建築家がかかわったらしい.
 昨日ミラノで,レオナルドダビンチの最後の晩餐を見学した.実物とその歴史には圧倒される.個人ではなかなか入場しにくいので,半日コースの最後の晩餐見学市内ツアーでいったのだが,そのガイドがミラノ滞在15年の青年で,いろいろ教えてもらった.はっとしたのは,フランスやイタリアでは木材は貴重品で,まず楽器を作るのに使う.建物の素材に使うような木材はそもそもないのだ,ということである.石で建物を作るのは困難であり難しい.だからいつまでも大切に使う.だから石の文化が育つ.日本の木材は豊富にあってしかも工作しやすい.木材の寺院などフランスからいえばかぎりなく贅沢なのだ.しかし作りやすいから何度も立て直す.こうして風土に規定されて文化の形ができるのかも知れない.写真はミラノ大聖堂.500年かけた石の建物である.写真は教育労働者の集会か.
 いろいろまわって思う.観光ガイドなどには街の美しい側面が紹介されているが,どの街も雑然とした活気にあふれて,実に多様な人々が生活している.それぞれの地でそれぞれの人がそれぞれのおかれた条件(何で自分が,という不条理な条件も少なくない)のもとで,それぞれ精一杯に生きている.そういう場としての地球,そういうことではないだろうか.受験生の皆さんもこの夏,それぞれ自分の課題を精一杯にがんばってください.
 追伸:日本時間で31日昼に戻ってきた.向こうは雲一つない日が続いたので思いもよらなかったが,この間西日本は大雨が続いて,亡くなった人もおられたことを知った.温帯モンスーン気候は生物の多様性を生みだしているが,また厳しい自然の力も見せつける.私の方は一両日,いただいている誤植報告による校正やCD作成をして,月曜から夏期講習である.