秋深まる

秋が深まっている.今日の雨の後はさらに朝夕冷えるようになるだろう.『数論初歩』の改訂が少しずつ進んでいる.次のような構成で考えている.太字が章.後ろのほうの節構成はそこで書きながらである.
初等整数論自然数/整数/約数と倍数/一次不定方程式/素数整数の剰余類合同式オイラーの関数/1のn乗根/フェルマの小定理/原始根と指数/相互法則/平方剰余/いくつか別証明/相互法則の応用/ユークリッド多項式環ガウス整数環/連分数/二次行列と実数の連分数展開/数の幾何ペル方程式/解集合の構造と解の存在/連分数による解の構成/素数分布素数分布論/初等的的方法/解析的方法
第二章の本文辺りまで来ている.読み直すといろいろ改訂したい.いくつかのところをつけ加えもう少し現代風に書き直している.この先どれくらいかかることやら.
仕事の方では冬期のテキストをやっと解答まで作った.続いて三期に二年生に論述力や発想力をつける演習講座をする方向で準備をはじめている.実際に手を動かして書いていく講義と演習にするが,どのような演習を積みあげればしっかりした力がつくのか,そのためにはどのような教材がいいのか,いろいろ考えている.試行錯誤も重ねて何かまとまりあるものを作りたいと考えている.他にもノートをとって考えたいこともあり,毎日机に向かう日々である.
民主党政権になって一ヶ月.それこそいろいろと試行錯誤は続いている.西洋に追いつき追い越せ,そのために最適化された制度,それが日本の政治機構だった.このような体制は生産を拡大し資本主義を推し進めるうえでは大きな役割を果たしたが,資本主義自体が地球の有限性に規定されてこれ以上の量的発展が難しいという限界にぶつかったとき,この制度は機能しなくなる.それが今回の民主党政権誕生の意味だった.
しかし問題はそこにとどまらない.明治以来のの開発と近代化のために最適化された機構は,単に政治や経済,産業分野の問題でだけではなく,教育や文化,思想の内奥までをも大きく規定している.だからこれが行きづまるとなにもかも一から考えなければならない.何のために勉強するのか,ということもである.それと民主党東アジア共同体を提起しているが,地域ブロック化につながる方向でいいのだろうか.世界的な信用体系の再構築を含め,地球規模での共同体を提起してほしい.そういうことごとを一人一人が考える時代になったということだ.