ハトミミ.com

nankai2010-02-06

 政府が『ハトミミ.com「国民の声」(内閣府ホームページ)』で国民の声の募集をやっている.集中受付期間(第1回)が平成22年1月18日(月)から2月17日(水)正午まで(締切必着)である.私は前にも書いたがセンター試験事業仕分けの対象にして廃止すべきだという意見である.これを書いて送ろうと思う.提案の具体的内容(全角文字にて250文字以内)と提案理由(具体的に全角文字にて750文字以内)なのであまり詳しくは書けないが,政府が意見を募集する以上は,いうべきだと思う.個人で出してもあまり力はないだろう.民間で入試制度を考える会のようなものができ,そこから提案できればいいが今回は時間がない.センター試験事業仕分けの対象にと考える人はぜひ出してみてほしい.「氏名及び連絡先が記載されている提案等については、提案及びこれに対する各府省の回答を当ホームページ上で公表いたします。」とあるので,何らかの反応はあるだろう.
 それにしてもなぜセンター試験廃止の声がもっとあがってこないのだろうか.あるものは仕方がないと受け入れ対策を立てるというのも対処の仕方ではあるが,ない方がいいに決まっている.
 もう梅の季節だ.写真は竹藪の境に自生していた白梅.
大学センター試験廃止と大学入試そのものの抜本的な検討の場の設置-------------2/8送付
 提案の具体的内容
1)次年度予算作成過程で大学センター試験事業仕分けの対象にする。今年度の事業仕分けにおいて、基礎研究の分野で予算が削減された。しかしそれを削減する以前にまず百害あって一利もない大学センター試験を廃止する。
2)『民主党政策集 INDEX2009』所収の「大学入試のあり方については、大学センター試験・大学入試そのものの抜本的な検討を進めます」に従い、大学センター試験がもたらした高校生の学力変化を検証し、今後の入試制度のあり方を検討する場を設ける。
提案理由
 私は、公立高校教員を経て現在は高校生対象の塾で数学の講師をしているものです。高校生に本当の学力をつけてほしいと願い、高校数学を学問として学び考える力をつけることをめざしてきました。
 このような立場からこの四半世紀の高校生の学力の変化を見ると、自分の力で考えるという基本的な力が大きく後退したことを痛感せざるを得ません。数学計算はある程度できるが論述することができない、あるいは問題文を読んでもその意味を把握することが難しいという生徒もたいへん増えました。
 この四半世紀は、共通一次試験、大学センター試験がおこなわれてきた期間です。センター試験は学力試験としてみると、試行錯誤しながらじっくり考えるという一番大切な学力を測ることには、まったくなっていません。逆にこの試験の対策のために受験生の勉強が大きくねじ曲げられてきました。また国語科のセンター試験が唯一日本語の試験であるという理系の生徒も増え、彼らの出会う言葉の問題が選択問題だけになり、要約や大意をまとめたり判断の根拠を書くという言葉のもっとも基本的な訓練がおこなわれなくなりました。京都大学名誉教授の上野健爾先生はセンター試験がもたらした結果は「危機的な状況ではないか」(2010年2月8日朝日新聞)と言っておられます。私もそのように考えます。
 このようにセンター試験は百害あって一利もないものです。よって、センター試験を事業仕分の対象としこれを廃止するとともに、この間の経験を教訓に大学入学試験のあり方を検討する場を設け、議論を経て新しい方向性を打ち出していってもらいたい。これが提案の理由です。