暴かれる司法権力

この青空学園だよりで,日本の司法権力の問題を取りあげたのは「小沢民主党代表の秘書逮捕問題」が最初ではないかと思う.一連の小沢氏関連の捜査が意図的な国策捜査であるという判断は,これを書いた当時の段階ではまだ政治的判断,情況からの判断であった.その後検察審査会による小沢氏の強制起訴を経て今日に至っているのだが,3年の時間がたって,指摘してきた事々が白日の下に暴かれる段階になってきた.一連の国策捜査を画策し指揮してきたのが,最高裁判所事務局であることも明らかになった.
ここに至るのには,何人もの市民の果敢な行動,良心を守る少数の報道者の力,これらが共鳴してきたところが大きい.いくつかの資料を「一市民が斬る」さんがまとめてくれている.この人自身検察審査会事務局などに足を運び,問題を掘り下げてこられた.このブログをぜひ詳しく読んでみてほしい.
このように日本の司法権力は一方で小沢という一人の政治家を抹殺するためならどんな手でも使いながら,その一方で東京電力のような明確な犯罪企業に対しては,その捜査すら行わない.客観的には東電マフィアの用心棒.これが今の日本の司法権力の姿である.この事実をとりわけ若い人に知ってもらいたいと思う.
最高裁事務局が指揮して国策捜査が行われるのならば,三権分立の立前さえ自ら破ることであり,さらにそれが市民監視の中で暴かれるのであるから,これは旧体制の国家機構そのものが崩れはじめているということだ.昨年の東電核惨事以降の事態は,今の日本が「国破れ」始めるの状態にあることを教えている.そして福島においては「山河もまたなし」である.このとき,何に依拠してこの世を立て直すのだろうか.そういう問題が現代の課題である,という時代になった.