民衆の意志を一つに

nankai2012-09-15

昨日も関電前に行ってきた.6時には1000人くらいであったがその後続々と参加者が増え,やはり2000人規模になっていただろうか.一向に参加者は減らない.民主党が2030年代に原発ゼロをめざす,を言いはじめたが,その一方で核燃料の処理は継続すると言うし,あくまで「めざす」だけで,霞ヶ関用語を翻訳すると「選挙用に2030年代に原発ゼロをめざすと言うが,2039年まで引き延ばし,めざしたができなかったことにする」となる.本気なら,核燃処理の中止と中間施設として青森に保管しているものをどうするのかまで,打ち出さなければならない.民主党原発ゼロの中味は皆わかっている.だから参加者は減らない.それどころか福島の核惨事はますます拡大する.これについては先日紹介した村田光平氏が『現代ビジネス』に「新たな一大汚染の危機と国・東電の無策ぶり」を寄稿されている.この通りであり,この現実は厳しい.
追伸:野田内閣は19日,14日決定の「革新的エネルギー・環境(エネ環)戦略」で掲げた「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指す戦略の閣議決定を見送った.霞ヶ関用語でのごまかしは5日しかもたない.旧体制はここまで劣化している!
昨日は,前にお会いした日の丸を掲げた人はいなかった.それとこれまであった奈良女子大自治会や神戸大学有志の横断幕がなかった.これは主催者の意志なのかどうか.次に参加したときも昨日のようなら,いちど聞いて見ようと思う.私は「行動の統一,思想信条表明の自由」がこのような運動の原則だと考えている.だから,行動で統一するかぎりどんな旗をもって参加してもかまわないし,反原発につながると考えるかぎり他の政治分野の問題を主張してもかまわない,と考えている.もちろん一方的な党派の機関誌配布のような自己宣伝でしかない行動は逆効果であり,参加者の良心と一定の抑制した態度は必要なのだが.それにしても大衆運動における文化の成熟ということに関して,われわれはもっと経験を積まなければならない.
TwitNoNukes大阪の関電集会と平行して,関電ビルの正門のある西側ではずっと座り込みも継続されている.その人たちがおいたのだろう.大きな鉦(カネ)がおかれている.その前に「故大飯原発」と書かれた写真がある.柵には「リボンをくくらないでください」という関電の張り紙もあるが,これを無視して多くのリボンがくくられている.一つの景色を作っている.このような遊び心は大切だ.ということでこちらも思いきり鉦を鳴らし,手を合わせてきた.
人民新聞』の1457号で映画監督の足立正生さんが,「民衆は,新たな世界をめざす」と題して一文を寄せておられる.トルコの民衆の蜂起がトルコ政府を動かし,その運動がエジプトなどのアラブの新政権を生みだし,さらにギリシア,スペインと欧州にひろがり,そしてアメリカの占拠運動,さらに日本反原発運動と広がってきたことを指摘する.最後に「日本民衆の意志は一つになれるのか」と問題提起し,「「地域開発」の名目で原発を過疎地に押しつけ、沖縄の悲惨を見て見ぬ振りしてきた日本の現状を変える要求である。その現実を容認してきた私たちは、その贖罪のためにも、この脱原発の運動と沖縄の基地撤廃の運動を一つのものとして担うことが問われている。それが、今、中東に端を発して、世界中で民衆が意志を発信し始めていることと呼応して、世代を次いで社会を変えていく唯一の道だといえるだろう。」と締めくくっている.大切な問題提起だと思う.情報技術を駆使することを含め,われわれの意志を一つにまとめてゆく実践的な方法など,模索と試行錯誤は続く.写真はようやく咲いた琉球アサガオ