行動の統一を

安部がいろいろありえないことをIOCで発言して,最初の大阪金曜行動.いつものように人が集まる.そしてこの15日には大飯原発が定期検査で停止.再び日本の全原発が止まる.この夏は酷暑であったが,原発が大飯の2基以外は止まっても何も困らなかった.秋になればよけいに原発はいらない.再稼働反対,大飯はそのまま廃炉にしろ,という主張は,むしろ当然である.
先日,次のように書いた.「国際原子力村は原発推進である.しかし危険なので欧州やアメリカには建設しない.アジアやアフリカ,南米に建てる.そして事故が起これば人間もろとも封鎖する.」この「封鎖」は物理的な意味だけではない.人の心から消し去り,心の奥に封印することも含む.オリンピックで福島を忘れさせようとすること,これがそうである.オリンピックは彼らが周到に準備する福島の惨事に対する対処法の一つなのだ.そう考えるとよけい怒りがわいてくる.
フランス人さえ「「福島を忘れよ」 オリンピックという名の享楽の目くらまし」といっている.外から見る方が,本質がよく見えるのかも知れないが,核惨事の現場である日本にいる者が2020オリンピックの意味が見抜けなくてどうするのか.
こちらが声をあげていると,いつも生活の党応援隊の街宣でよく知っている人が来る.どうしたの,と聞くと「堺市長選挙がもうすぐ告示だが,維新の反対の方の応援にいってきた.知り合いが金曜行動に出るというのでついてきた」とのこと.「堺の維新はそれこそ草の根でやっている.こちらは弱い.それで応援してきた.」
そう.それで生活の党応援隊の人たちは? こちらは土曜の午後も授業というか教える仕事が入り,いけていないのだけれど.それから参院選のあとの大阪の最近の様子はどうなの?「これまで別々に,いろいろやってきたところが手をつなごうという機運が出てきている」.それはいいことだ.「脱原発.生活第一,アメリカ従属反対なら大多数が一緒にやれるのに(彼が言ったのと少し違うかも知れない)」.そのうえで彼曰く「しかし日本の運動はどうしてこんなにバラバラなのだ.同じことを主張し同じ相手に向かうのにこれでは勝てない」.その通りだ.
いろいろ歴史もあるけれど,闘う相手に対しての行動の統一,内部での政治思想活動と批判の自由.これが弱い.「たしかに」.でもそれではどうにもやれなくなって,ようやく運動の統一の機運が出てきた.またいろいろ教えてよ.こちらもできるときは出て行くから.彼も昔は大阪の定時制高校の数学の先生.何か通じるところがある.彼はそれで引き上げ別れる.
写真を撮りながら,日の丸の人と再開.あいさつ.お元気で.みな,安部のあまりの発言に怒り心頭.参加者の声は大きい.子どもたちも来ていて,これは一つの定例の行動として定着している.それから八時まで声を合わせてきた.15日,大飯原発が止まる日に,デモがある.彼はそれにも参加する.こちらはその日に彼女の故郷に帰省の用事.彼いわく「15日は,もう一つ,関電前に座り込みを続けているところもデモをする.これは大阪難波でだ.どうして一緒にやらないのか.一緒にすればもっと大きいデモになるのに」.
その通りなのだ.お互いそれぞれの歴史と作風があって,なかなか共同の行動一が出来ていない.でも,もう少し時間がいるけれど,そうなってゆく.現実が,そうせざるを得なくなる.等々話しながら,少し歩いて,焼き鳥屋に入り一献.なかなかうまい焼き鳥であった.私にとっても日常の行動になった.この日話した人は皆70歳前後.老人行動隊である.それぞれが,なぜもっと行動の統一ができないのか,と言っていた.われわれの世代の責任が大きい.できることはしなければ.しかし,このような行動の量的な蓄積は,必ずどこかで質的な転換を迎える.そのときその現場にいたいと思う.秋の夜のひとときであった.
追伸:東電の『あの人達は今!』.ブログ「腹は真っ黒ですが、名前は真白です」より引用させてもらった.
勝俣恒久会長 →日本原子力発電社外取締役に再任(現在家族と共に海外在住)
清水正孝社長 →関連会社・富士石油社外取締役天下り(現在家族と共に海外在住)
武井優副社長 →関連会社・アラビア石油の社外監査役天下り(現在家族と共に海外在住)
宮本史昭常務 →関連会社・日本フィールドエンジニアリングの社長に天下り(現在家族と共に海外在住)
木村滋取締役 →関連会社・電気事業連合会の副会長に再任(現在家族と共に海外在住)
藤原万喜夫監査役 →関連会社・関電工の社外監査役に再任(現在家族と共に海外在住)
福島を封鎖するとは,こういうことも含んでいる.日本の危険性をいちばんよく知っているからこそ,海外にいる.さらにまた,彼らは日本の政治状況が変わり逮捕されそうになったら,そのまま,受け入れそうなところへ亡命するつもりなのではないか.国際原子力村はそこまで周到な準備をしているのかと勘ぐりたくなる.
追伸2:このような客観的なデータを見ると,やはり,溶けた核燃料が地下深くで地下水と接触していると,考えざるを得ない.これは人間の手に余ることがらである.