寒中行動

 追伸:寒中行動の続き.2月15日日曜日午後のこと.こちらは京都で少し授業.その前に京都河原町四条交差点での大阪宣言の会の街頭行動に小一時間参加.「生き生き箕面通信」さんが言っておられたことを喋ってきた.京都金閣寺管長の有馬頼底さんが言っておられるように京都の仏教界は原発再稼働に反対している.福井のいくつもの原発にもし何かあれば,それは想定外ではすまされない.なぜ高浜原発を再稼働するのか.二千年の京都に核汚染がまき散らせるようなことが,万に一つもあってはならない.この二年,原発なしでやってこれたではないか.なぜ再稼働するのか.

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 今日は定例の関電前金曜行動の日.寒かった.昼間は粉雪.夕方にはようやく晴れ間も出てきたが,風が寒い.むかし故郷の宇治ではこの寒い時期,日蓮宗の人たちが丸い一枚皮の太鼓をたたいて法華経を唱えながら街を歩いていた.寒供養といっていたが,それを思い起こさせる.この寒供養の記憶は前にも書いた.「今様寒供養」.これは福島の原発事故で亡くなった人々,野山の生き物への寒供養だ.高浜原発の再稼働を政権が狙っていることが,人々を動かし,100人近くがいつものように,関電への抗議行動に参加してきた.こちらは夕方まで神戸で仕事があったので,それから大阪へ直行.皆と声をあわせてきた.
 関電前での集会の横を通った一人の婦人が「再稼働賛成」と小さく叫んで足早に去って行った.怒りよりも悲しみの感情がわく.関電ビルから出てきたので関電の関係者かも知れないし,関電と何か仕事のつながりのある人かも知れない.追いかけていって,何を考えているのかと問いたいところであったが,みないっそう声を大きくして,関電に向けて声をそろえていた.これは日本の現実だ.われわれの横を関電社員が順次退社してゆく.どのように考えているのだろう.
 その後,いつもの彼と淀屋橋駅まで話しながら歩き,そこでいっときコーヒーを飲みながらいろいろ意見を交わした.ほんとうに日本は大きく時代を転換しつつある.報道機関と一体になって,それがすすめられ,なかなかそのことに気づかない人がいまのところ大多数である.普通に考えれば,この期におよんで高浜再稼働とは何を考えているのだ,ということになるのだが,アメリカの力もまた弱まる中で,日本政府はこの国際的な産軍複合体とその経済部門である国際金融同盟と心中しようとしている.こんなときにわれわれの世代のものは,一体何ができるのだろう.こんな話もし,そして再会を約して別れた.
 国破れて山河もなし.このような世が,近づいてくる.下のコメントにも書いたが,こんな時こそ,たとえ一人になっても,譲れない原則だけは譲らず行動することが大切だと思う.われわれの世代は,新しい時代の幕開けを見ることはできないかも知れないが,せめて,筋を通した生き方をできるところからすることで,時代を動かす捨て石になれればと考える.山河も壊れた中で,小さくてもそのような人間のつながりが,再生の希望であり,足がかりである.