最速降下曲線

 「最速降下曲線」をようやく作った.「ようやく」というのは,これを計画したのは5月の初めであったからだ.3月にドイツのギーセンにある数学博物館を訪れたとき,ここにあるような展示に出会った.この数学博物館は小さい子供のためのもので,ここにはそれ以上の説明はない.もし高校生が,これはどんな曲線なのだろうと考えはじめたら,それは自分で勉強しなさいということのようだった.こちらもいわゆる解析力学は学生時代にほとんどやっていないので,このあたりのことは,表面的にしかわかっていない.それで,高校生や社会人むけに,その前に自分の勉強として,まとめておきたいと思ったのだ.もとより高校範囲というわけにはいかないが,青空学園内のもので完結することは出来る.
 5月の頃,前に書いた雑誌の文章が出来て投稿したばかりで,さて次はこれをするかと考えたのだが,先の雑誌にもうひとつ投稿したいものが出来てきて,そちらをやりはじめた.8月にもういちど数学博物館に行った.いよいよ最速降下曲線をまとめなければと思ったのだが,このころは,「いま『夜明け前』を読む」にかかりっきりで,これを8月の末に送って,ようやく最速降下曲線にかかれた.なかなか難しく,なかなか時間もとれず,ようやくこの数日集中して出来た次第.
 これを書いてこれから地元の運動会に行って来る.地元でのいろいろなことはたくさんあるのだが,適当な気分転換でもある.もうすぐ8月に送った原稿の校正が来る.次はそれをやって,それからその次にまとめるものの構想を立てたい.いつの間にか季節は秋.ようやくに気温も20度を切るかという日も出てきた.どこまで出来るかはわからないが,問題をまとめてゆくことはしておきたい.それを解きほぐして解決し,時代を作ってゆくのは,次の世代に任さなければならない.8月に旅行をしながら,宗教の形をとる前の,より基本的なところで,人間が祈ることの大切さを思った.その基本と言葉の仕組みを,言葉にしたい.