梅雨の合間に

 今年の梅雨は長いし雨も多い.九州の豪雨には言葉もない.昭和28年の台風で宇治川が氾濫し,高台の橋寺に避難したのを今も覚えている.台風が過ぎて,道の掃除が大変だったのも覚えている.
 昨日11日は定例の 梅田解放区 の日.朝から雨であったが,夕方いっとき雨がやんだ合間に犬の散歩をする.これで1時間歩くのを日課にしている.それから汗を流して梅田に向かう.この集会は雨のときは向かい鉄橋の下でやるので雨は関係ない.5時半前に行くと,もう幾人かが鉄橋下で準備をしていた.

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 梅田は小雨が降っていたが,この日は40人ほども集まっただろうか.若い人らが増えたのが嬉しい.7時過ぎまで,喋りたいものが喋る.この雑踏に立っていると,いろいろ考える.前を通り過ぎる若者たちは,今何を考えているのだろう.彼らが教育を受けてきたときは,いわゆる新自由主義教育が行きわたっているときで,社会に向けて疑問をもつことなどはまったく気づくこともなかったのかも知れない.
 それだけに,ここにこうして集まってくる若者は,私などの感覚では貴重だ.それぞれどこかでこの社会はおかしいと思うときがあったのだ.
 イギリスに30年以上いて日本に戻り,今話題の十三市民病院で非正規で働いている ピカピカの新入組合員 さんも,その経験をふまえて,職場に問題があれば組合に入って闘おうと語る.

連帯ユニオン・ゼネラル支部・十三市民病院分会を結成しました! 組合活動や病院を正していく活動を配信します。病院で働く人や、コロナを理由に職場でパワハラを受けた人。「おかしいな」と思ったら、労働組合に相談しよう。あなたは一人じゃない。仲間がいるよ!

 また,京都の大学生が,やはり今の政治はこのままではだめだと思ってここに来たと語るのも中味があった.新しい動きが出てきていることを実感する.もとより先は長いが希望もある.昨夜は,同じガード下の道の向かいでも横断幕を掲げる.

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 ソウルの市長が自死した.これは,韓国社会には,公の立場で言ったことと,したことに矛盾があれば,その責任を取らねばならないという規範があることを意味している.ひるがえってこの日本はどうか.ソウル市長が死なねばならないのだとしたら,この日本の政治家で死なねばならないものがどれだけいるか.しかも彼らはそれを無視して居直っている.
 この問題は深い.ここでは韓国での様々の議論に立ち入ることはできない.ただ,そのような議論のなされる韓国に対して,この日本の現実がいかに遅れたものであるかを指摘したい.韓国社会は,これまでの歴史が作ってきた世の規範が生きているのだ.それに対して,この日本の政治家世界には,それがない.
 歴史の現在でいえば韓国は日本のはるかに先をいっている.というか,この日本がはるかに後ろをいっているのだ.韓国のこの件は,逆に日本の政治の酷さをうきぼりにする.街頭に立ちながら,こんなことも考えた.

 今朝は朝から時間があった.それで1週間ほどかけて書いてきた「縮閉線」をまとめ,PDFファイルとHTMLファイルを作った.青空学園に多くのことを書いてきた.もう「数学対話」に書くべきことは書き尽くしたか,と思っていたが,そうではなかった.掲示板の書込に教えられて,いろいろ計算して,高校生が読める範囲でまとめた.積み重ねてゆくべきことはまだまだあるのだろう.

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  ここまで書いて,3時半,日課の犬の散歩に出る.犬が歩くより自分の運動が意味あるかも知れないが,とにかく毎日歩く.神園町から北名次町を下って,満池谷の墓地に南から入り北に抜け,甲山を遠くに見る大池の端も歩く.今日は少したくさん,1時間半ほど歩いてきた.

 青空学園をはじめてこの8月末で21年になる.青空学園の各ウエブサイトは,いわば私の居場所,書斎であり庭のようなものである.後半生はここが自分の仕事場であり,ここでの制作が仕事そのものであった.
 今も問題づくりの仕事をしているのは,数学科を見て向こうから連絡してきてくれたからだ.これは2012年の頃だと思う.また,日本語科を見て智勝会の人がOB会の連絡をくれた.これは2011年の秋のことだ.いずれもこれをやっていたからこそ,である.
 昨日も教員の方から DVDR の申し込みがあり,作成して送った.青空学園をいつまで続けられるのかはわからないが,できるところまで,日々少しずつ続けてゆきたい.