緑の社会主義

 昨夜は今年最後の梅田解放区であった.中津の公園に集まり集会をもつ.幾人かがそれぞれに今考えることを訴える.私は後ろに立ってそれを聞く.集会が終わりデモにうつる.私は前にいって横断幕をもつのを代わる.

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 ここから東梅田までデモをする.師走の東梅田は人が多い.横断幕をもってデモの先頭で歩く.およそ25人というところか.よくみると新しい若い人が増えた.横断幕も「スガやめろ!」の新しいものになっていた.
 こうして集まり行動することが世を動かす始まりである.私はそう考えるので,この日も皆と歩く.そして東梅田ではいつものように街頭からの呼びかけをする.京都から来たという若い人の訴えも心に響く.

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 さてこの間,『地球が燃えている : 気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』(ナオミ・クライン , 中野 真紀子他 | 2020/11/18)を読む.

 ナオミクラインは「ショックドクトリン」で知られているが,現代の問題に正面から取り組む人だ.
 本書は,気候危機が歴史的に要請している新しい社会のあり方を,提起するものである.気候変動,これはつまり,温暖化であるが,それに対してどうするかはもはや一刻の猶予もない!  化石燃料を使い尽くし、戦争と格差を生み出す資本主義から,脱炭素社会への大転換を可能にするのは,資本主義を終わらせるしかない.これを提起する.
 オミ・クラインのこの書はほんとうに衝撃的である.著者は,いま世界がどのようになっているのかについて,具体的な事実を挙げながら語る.これについては,雑誌「経済」(2021年1月号)は特集が「コロナ危機とグローバル資本主義」で同じ問題を特集している.
 まさに,地球は今かつてなかった問題に直面している.資本主義が無限の資源があるという全体で拡大してきたが,それは資本主義の本質から来る幻想であり,資源には限りがある.地球の有限性に規定された資本主義の有限性.いまそのことを考えろというのが,今回のコロナ危機の教訓である.
 では,ここからどのように転換してゆくのか.斉藤幸平氏は『人新世の「資本論」』においてこの問題を提起し,マルクスを再読している.

 資本主義のもっとも基本的なことは,地球を,そして人を金もうけの資源とするということである.それに対して,人を人として敬い,この地を生きる場として尊ぶ世を生みだしてゆかねば、地球に次はない.
 今年のコロナ危機もまたこの資本主義の野放図な地球改変の結果である.ここから教訓を引き出すことができるのか.それが問われている.来年はいろいろな面において大きく動くであろう.ものごとの本質が否応なく表に出るときとなるだろう.

  資本主義の次の段階は「民主的な環境社会主義」ともいわれるが,言葉としては,私は「緑の社会主義」が適切だと考えている.「根のある変革への試論」の中でこれを深め,試論の草稿を仕上げること,これが私自身の来年の第一の課題である.
 そして,この時代の歴史の要求に応える新しい運動を何とかこの日本で創り出したい.若い人らと試行錯誤し,この糸口を生みだすこと,これが第二の課題である.
 できるかぎりのことをしたいと考えている.

 今日27日と明日28日は地元の自治会の夜回りである.およそ10人ほどが集まって「戸締まり用心,火の用心」と声をあわせ,拍子木をたたきながら,町内をまわる.地域の年中行事になってきた.こうして今年も過ぎてゆく.