戦争に抗う

 昨夜は定例の梅田解放区であった.十数人があつまり,街宣をはじめる.私はいつものように横断幕をもつ.
 通りがかりの人が,話しかけてくる.維新の会の支持者であったようだ.二,三人が少し離れたところで話し相手になる.彼も言いたいことをいうだけ言って南の方へ歩いて行った.
 また,若い女性の2人組がやってきて,こちらにあわせてリズムをとって,声もあわせながら踊っていった.
 梅田のここはほんとうに多くの人が通る.もう4年以上,欠かさず参加してきて,毎回いろいろ考えさせられることが多かった.

 たたかうあるみさんが言っているように,
   私たちは戦争に反対するレジスタンスである ‼️  
 まったくその通りだ.レジスタンスとは抗うことだ.戦争に抗う,これが梅田解放区の理念なのだ.
 村上薫さんも,この日のことをあげてくれている.

 そして今このときも,ウクライナでの戦争が続いている.
 人民新聞5月5日号には、「資本主義経済間の対立」とする見解と,「ロンドンやニューヨークのグローバル金融センター」が戦争を長期化させるという見解が載っている.また,「没落する帝国アメリカは中国が米国と並ぶ軍事大国になることを何としても阻止しようとしている」との一文もある.いずれもその通りで,これを差配しているのが国際金融資本である.

 だが,戦争の長期化で実際に追い詰められていくのは米国側だ. 時事通信に「米財政、綱渡り変わらず デフォルト期限先延ばしでも」とある.ドル建て金融はいずれ崩壊する.
 そして,資源類を握る中露非米側が世界経済の中心になり,中国の存在が大きくなっていく.先日も,イランとサウジアラビアの国交回復を仲介した.今後、ロシアとウクライナの停戦の仲介をし,戦争を止めるために動くだろう.
 かつて中世の西欧がまさに没落していたとき、唐の長安が絹の道をとおって欧州にも大きな影響を与えた.歴史はくり返す.

 その一方で、もう少し長い時間で見れば,資本主義となった中国もまた,いずれ資本主義の衰退とともに衰退する.
 それよりも先に,目に見える形で近代日本は没落する.非西洋にあって最初に資本主義となった日本は,資本主義没落の先頭を走る.
 後世,安倍,菅,岸田政権の時代とは,まさに,没落のはじまった時代であったと記されるだろう.

 新しい時代への動きが、ようやくにいま足元ではじまっている.それを思う.外圧のもとに始まった明治維新と近代日本が、ようやくに近代の中味を作りつつある.

 没落の果ての反転は,われわれの手でこれからの近代を生み出す他,途はない.

 そのような歴史の分岐点にわれわれは向かっている.
 そして,今を生きるものとして,根のある反転の準備をしてゆかねばならない.