歴史の分岐点に向かう

 11日の朝は地域の公園の掃除の予定であったが,小雨で,できない.雨のときは中止と掲示板にも書いている.それでその時間の朝,これを書いている.
 統一地方選挙も終わり,梅田解放区は第2,第4土曜日の定例行動にもどった.10日の解放区に参加してきた.

 この日も十数人が東梅田に集まり,声をあげる.村上薫さんも写真をあげてくれている.
 反戦ターガースさんも親子で参加されていた.17日に尼崎でやられる「入管法改悪に反対する映画と講演会」のポスターを彼が掲げる.

 ロシアのウクライナ侵略が続いている.少し前の記事だが,日本にあるウクライナ大使館の記事を読む.人間はいったい何をやっているのだと,思わず感情がこみ上げてくる.
 またダムの破壊による洪水もすざましい.ウクライナ南部のヘルソン州にある水力発電所のダム・カホフカダムが攻撃を受け,決壊した.これによって,ウクライナは約4万2000人が洪水の危機にさらされている.
 カホフカダムはウクライナにあるが,今はロシアの占領地域になっている.ダムの水はドニプロ川を流れ,ウクライナの主要都市ヘルソンなどを通っていく.
 川の南側の多くは現在ロシアが支配しているが,ダムの決壊によってロシアの支配地域を含む広範囲が浸水する.
 なぜこんなことになるのだ.誰が破壊したのかは明らかではないが.この戦争の中で起こったことであり,戦争がなければダムの破壊などなかったことはまちがいない.

 人民新聞5月5日号に,ウクライナ戦争について,「資本主義経済間の対立」とする見解や,「ロンドンやニューヨークのグローバル金融センター」が戦争を長期化させるという見解が載っている.また「没落する帝国アメリカは中国が米国と並ぶ軍事大国になることを何としても阻止しようとしている」との一文もある.いずれもその通りで,これを差配しているのが国際金融資本である.
 だが戦争の長期化で実際に追い詰められていくのは米国側だ.ドル建ての国際的な金融は早晩崩壊し,資源類を握る中露非米側が世界経済の中心になり,政治的にもそうなってゆく.先日も,中国がイランとサウジアラビアの国交回復を仲介した.今後,ロシアとウクライナの停戦の仲介もに向かうだろう.
 資本主義は拡大しなければ存続しえない.しかし地球は有限だ.もう新たに開発できるところはない.いや,拡大できるところはある.それが戦争だ.ウクライナ戦争の背後で世界の兵器産業がうごめく.
 ウクライナ戦争そのものが,資本主義の行きづまりという条件の下で,国際的な兵器産業が引き起こし,継続させている.

 国際金融資本と人民の闘い,それは国際金融資本といわゆるグラーバルサウスとの闘いでもあるが,それはまさに今日における階級闘争そのものである.

 日本においては,死刑執行のボタンを押すと指摘される出入国管理法改悪が9日,参院本会議で可決・成立したが,外国人労働者を使うだけ使って,使い捨てようとする資本の意図がそこにはある.
 同時にこれはまさに排外主義そのものであり,さらにかつての植民地支配と通底する.日本の入管行政が国際的に見て最低のものであることは,これまでも指摘されてきた.

 今回の入管法改悪については,東京新聞 疑念だらけなのに議論打ち切り 入管難民法改正案の残された問題とは 「外国人の命が危機」の声上がる」にも詳しい.
 安田奈津紀さんも『「これから」の命の話を』と題して詳しく書いてくれている.

 また,いわゆる「LGBT理解増進法案」をめぐり,修正与党案が自民,公明,維新,国民などの賛成多数で可決された,
 しんぶん赤旗には「多数者の権利」の名で性的少数者の人権狭める 自公維国案を可決とあるが,その通りである.

 これらの法案の背後にあるのは,日本会議などのいわゆる右派の思想であり,その世界観,家族観だ.それは,かつての軍国主義時代のものそのものである.それが,安倍政権以降,急激に表に出てきた.

 東梅田の街頭に立ち,みなで声をあげながら,このままでは日本というクニの没落が不可避であることを思う.
 政治を根本から変えないかぎり,近代日本は目に見える形で没落する.非西洋にあって最初に資本主義となった日本は,資本主義没落の先頭を走る.

 その没落の果てに新しい時代としての反転は可能か.そのような歴史の分岐点にわれわれは向かっているのか.新しい時代への模索が問われている.