戦争反対 !

 2月24日はロシアがウクライナに侵攻して2年になる日である.そして,イスラエルのガザへの軍事侵攻から約半年となる日でもある.
 今このときも,それぞれの地で戦争が続いている.
 第2次世界大戦が終わって80年になろうという時代に,このような戦争が再び起こるとはどういうことなのだ.
 思い起こせば,2003年のイラク戦争も,テロを逆手にとってアメリカが起こしたものだ.イラク戦争については「イラク戦争反対! 叡智を集めアメリカ問題からの活路を見いだそう」に書いている.この一文の最後に

アメリカの良心
 ジャズサックス奏者MASAさんが伝える黒人ミュージシャンの言葉。
   よく見ていなさい。いまにアメリカはつぶれる。

と書いている.Swing MASA さんとは2003年のイラク戦争反対の集会で言葉を交わしたような記憶があるが,梅田解放区でまた一緒になるとは思いもよらなかった.

 人びとの行動が,歴史を動かす.できることはやろうと,昨夕は定例の 梅田解放区 に参加してきた.10数人があつまり,声をあげる.いつものように たたかうあるみさん も写真をあげてくれている.

  ロシアはウクライナ侵略をやめろ!
  イスラエルはラファ攻撃をやめろ!
  戦争反対! 停戦! 岸田やめろ!

 下の写真で、マイクを持って語っているのが Swing MASA さんである.

 皆で,道ゆく人びとに訴える.

 パレスチナの旗を背にまとった女性と,男性の2人組が, 路の向こう側でわれわれの前に立ち,こちらを見つめる.「岸田やめろ!」の旗の下にパレスチナの旗を掲げているから,こちらの立場は伝わったのだ.
 声をかけると,女性の方が横断幕の前に来て話してくれた.私にはわからない言葉であったが,その口調に心うたれるものがあった.男性の方は向こうで右手をつきあげる.
 彼女がパレスチナの人なのかどうかまでたずねることはできなかった.それでも,日本の街頭で行動するわれわれに,彼女が連帯して話してくれたことは,意味深いことだ.
 
 終わってから「 サンキュー」と声をかけたら,にっこりうなずいてくれた.
 言葉を超えたこういう出会いに励まされる.

 さて,日本の日経平均の株価が史上最高値をつけた.しかし,一般市民の犠牲のうえに,企業利益の拡大が生じ,そこから利益を得る外国資本の日本株買いの,その結果としての株価上昇にすぎない.
 田中龍作さんが『株価最高値の現実は「炊き出しに並ぶ長蛇の列」』で伝えるように,この日本は,外国資本と一体のごく一部のものが支配し,経済的利益を独占するクニである.
 政府が正しい経済政策を実行し,経済状態と株が対応がすれば,株価は下がる.ところが日本政府の経済政策は,株高を演出するものでしかなく,その結果として株価が上昇している.

 一方,2023年の実質賃金は2.5%減となり,2年連続して減少している.そして,実質賃金は1990年以降で最低水準となった.
 資本は史上最高の利益を得て,働く者はますます苦しくなる.これが日本経済の実態である.

 根なし草近代の日本は,限りなく没落してゆく.
 しかしまた,非西洋における近代資本主義として,根なし草であることには普遍性があり,根なし草を越えるという歴史の課題にも普遍性がある.
 そのための試論が『根のある変革』であり,青空学園数学科,青空学園日本語科は,それぞれの分野で,根のある営みをできるところから実践してきた.

 現代とはいったいどのような時代なのか.ロシアとウクライナの戦争,イスラエルによるパレスチナ侵略など,目の前にくりひろげられる戦争の本質は何なのか.
 十七世紀から二十世紀は,階級矛楯とそれによる階級闘争が歴史を規定し動かしてきた.そのうえに,いくつかの世界大戦があった.そうではないだろうか.
 もとより歴史をえぐることは難しいことだ.現代もまたそうなのか.あるいはその次の段階に入っているのか.この時代を規定することは何なのか.
 これを考え続けたい.