一次不定方程式

晦日になりました.

冬期講習での演習問題に関して次の一般化が成り立つことを授業で話しました.『数論初歩』「一次不定方程式」「関連入試問題」にも関連した話題があります.

ab を互いに素な自然数とする.0 以上の整数 m , n を用いて x=am+bn と表すことができない正の整数 x\frac{(a-1)(b-1)}{2}個ある.

何人かの人が自分で考えていた.証明の概略を書いておきます.

■ x を一つ固定する. ab は互いに素なので,x=am_0+bn_0となるm_0,n_0がある. x を表すすべての m , nm=m_0+bt,n=n_0-atと整数 t を用いて表せる.m\geq 0,n\geq 0となるのは,t が -\frac{m_0}{b}\leq t \leq \frac{n_0}{a} にとれるときである.\frac{n_0}{a}-\left(-\frac{m_0}{b}\right)=\frac{x}{ab} なので ab\leq xであるならつねに整数 t がとれる.つまりこの範囲の x はすべて表せる.表せないものは 1 から ab-1 までの中にある.

■ [tex:am+bm=x