新学年はじまる

nankai2008-03-13

 火曜日から新学年の授業がはじまった.
 合格した何人かの生徒があいさつにきてくれました.皆に言うことは,大学では能動的に意欲的に進んで勉強してほしいということです.昨日来てくれた文学部合格の人にも言いましたが,1年で必修の単位をある程度とったら,2年生ではもう一つか二つ外国語の初級を増加単位で受けるくらいの意欲がほしいです.大学の外で外国語の勉強をしようとすればお金がいりますが,増加単位に割り増し授業料はいりません.私は昔,第2外国語はフランス語でしたが,2年の時にロシア語とドイツの初級も履修届を出して単位を取りました.辞書の引き方がわかる程度ですが,それでもその後それぞれ何回かは使うことがありました.言葉の勉強はそれ自体が楽しいものでした.外国語にかぎらず,面白そうな授業は必修分がとれていても,積みまして聞くくらいの気持ちをもってほしいです.最近の大学生が最低必要なことしかしないように思えるので,新大学生にはいつも言っています.
 昨日,会いに来てくれたのに私がいつもより行くのが遅くて会えなかった人が,伝言を置いていってくれました.
 ○MKZを受講しましたYです.京大工学部工業化学科合格しました!! 本当に先生の授業あっての合格だと思います.これからも先生の指さしで京大へ生徒を導き続けてください.ありがとうございました.
 写真はカルチェ・ラタンの本屋.カルチェ・ラタンの方がずっと落ちついていますが,学生がたくさん行き交っているのは京都の百万遍交差点,あるいは80年代の地上げで新しいビルが増える前,70年代の神田という感じです.「カルチェ・ラタン」の意味は「ラテン地区」ということです.このあたりはソルボンヌ大学などの大学街で,かつて大学の公式語がラテン語だったので,「ラテン語を話すものたちの街」という意味です.
 1968年5月,大学の管理強化にに反対して学生が蜂起しました.カルチェ・ラタンでは街頭デモが吹き荒れました.これをきっかけに,労働組合もまき込んでフランス全土の若者が決起,ついにド・ゴール政権を退陣に追い込んだのです.いわゆる五月革命です.学生や若者の反乱は,ベルリン,サンフランシスコ,東京,京都と世界に広がりました.これに参加した学生には,自分自身が「何々である」という既成の体系から離脱し,制度や体制から離れ,自主的な方法や生きる仕組みを模索しようという決断がありました.40年前はそういう時代でした.学生時代の経験は私の人生にも少なからぬ影響を及ぼしました.
 新しい大学生には,「大学でこそ真剣に勉強し,真剣に生きよう」と,心から言いたい.