ラマヌジャンのタクシー数

nankai2009-08-03

 今日京都教室のMWの授業で,今年の一橋大学前期1番の問題を追加でやった.

2以上の整数m,\,\,nm^3+1^3=n^3+10^3をみたす.m,\,\,nを求めよ.

 A君が12,9の組をすぐに答え,「これはよく知られている」というのだ.実際これはラマヌジャンのタクシー数といわれる.
 その由来は次のような逸話である.
 ラマヌジャンはインドの生んだ天才数学者であり,イギリスに来て1918年2月ごろ療養所に入っていた.見舞いに来たハーディ(彼がラマヌジャンをイギリスによんだ)は「乗ってきたタクシーのナンバーは1729だった.さして特徴のない,つまらない数字だったよ.」と言った.これを聞いたラマヌジャンは、すぐさま次のように言った.「そんなことはありません.とても興味深い数字です.それは2つの立方数の和で2通りに表せる最小の数なのです.」
A君はいくつかの数学啓蒙書で知っていたと言うことだ.これを入試問題にした大学も面白いが,読んですぐ気づいたA君もなかなかのものである.この問題はすべての解を求めなければならないので解答はしっかり作らなければならない.
 ということで,今年の夏期講習が始まった.写真は日本のクマゼミ
追記(2012.12.4):本問にさらに問題を追加した.