今日でちょうど満十年である．ずいぶんいろいろあったように思う．一人でいろいろ考えている高校生や大学生，今の高校数学をよくしていこうと思う教員，そんな人が勉強し意見を交換する場になればと考えてきた．よく「『さあ受験のことはしばらく忘れて』楽しく数学をやろう」という大学の先生やそういう高校生向けの講座はいろいろあるのだが，それは高校生が現実から逃げるという側面もあるので，青空学園は受験数学からあまり離れないようにして，それを材料に掘りさげるということを基本にしてきた．そのためにはいい材料となる入試問題が提供されていかなければならないのだが，近年平均的にいいえば入試問題の質がずいぶん低下したように思う．同時にこの十年，高校生の平均的な学力はずいぶん下がってきた．しかしこれは，指導要録の改訂のたびに学力が下がることからもわかるように，政策的なもので高校生に責任はない．こういう時代だからこそ，こつこつ考えている高校生のことを思って，初心を忘れないようにしたい．写真はアマガエル．
