石川議員逮捕の意味

昨夜,「東京地検、石川議員を逮捕へ」というニュースを受けて少し書いたが,事実もはっきりしたのでこちらに移して書き足したい.
小沢秘書逮捕のときにも書いたが,これは完全に小沢つぶしの捜査である.民主党衆議院で多数派であるが国家の権力を完全に握っているわけではない.政治資金に関する事務的な手続き上の瑕疵を針小棒大に取りあげ,夏の選挙を見据えての弾圧である.かつて,小沢幹事長の師匠,田中角栄ロッキード疑惑で失脚させられた.アメリカの意向を無視して中国との国交回復を実現させた.アメリカとそれに従属する検察による報復だった.政敵を検察・警察を使って逮捕させる手法は,これまでも佐藤優鈴木宗男,その他いくつも例があった.
新聞もテレビも検察のリークをそのままに流していている.「自殺の恐れがある」などといっているが,そういわなければならないほど今回の逮捕には無理があるということだ.この無茶な捜査を暴露する記事など皆無である.さらに,水谷建設がその日に5千万渡したと自白しているが,この「自白」自体が何かの取引の結果の「でっちあげた」であるということは十分考えられる.何度も何度も使われてきた手法である.
かつて田中角栄は失脚した.今回もそうなるのか.田中角栄のとき背後にいたアメリカには強大な力がまだ残っていた.今アメリカにはかつてのような力はない.アメリカのいちばんに身内と思われてきたドイツも,日本も,サウジアラビアも,イスラエルも、それぞれ内容は違うがアメリカのいうとおりには動かない.アメリカの権威は地に墜ち世界は多極化に向かっている.検索の今回の捜査はこれまでの国策捜査そのままの手法であるが,歴史的背景がちがっている.今回は検察首脳の一人相撲で勝手にアメリカに媚を売っているように思われる.
追伸(1/18):検察は余りやる気がないのにアメリカが本気で小沢つぶしをねらっているという見方もある.
検察といえども行政府の一環である.法務大臣は,検察庁法に基づいて検察事務について検察官を指揮監督する権限をもつ.個々の事件の取調べまたは処分については検事総長に対してのみ発動されるものであるが,露骨な検察ファッショともいうべき政治弾圧行為に対して内閣はもっと毅然と対処すべきである.これについてはJANJANニュースも参照してほしい.同じ考えの人はいるものだ.
去年の3月には小沢秘書が逮捕された.あれも去年の夏の衆議院選挙を計算した検察の意図的捜査だった.しかしそれでも民主党は選挙で勝った.今回も同じで,結局夏の参院選挙も民主党の優位は揺るがない.それが歴史の流れである.儲け第一の経済拡大より人間の生活を,多極化する世界のなかで日本はアメリカ一辺倒からの脱却を,それを担う政治潮流をという歴史の大勢は動かない.検察や自民党がいくら抵抗しても,現実の政治過程が紆余曲折を経るだけであって,その流れ自体をとめることはできない.
問題は民主党にこれを弾圧だととらえて団結して闘う力があるかである.さっそく横から身内を攻撃する者もいる.身内がやられているときに横から撃つようなことはするべきではない.人間性が疑われる.民主党はその歴史の要求に応えることが党の使命だ.それを自覚して団結して進めば,今回の弾圧も逆に大きな力にかえることができるだろう.そうせずに内輪もめを始めたら瓦解するだろう.
私は党派としての民主党を支持するものではない.どこかの党派に属することも支持しているということもない.だから醒めてはいる.ただ,権力から弾圧されているものに対して,できることはしたいと思う.といってもせめて私見を書くぐらいしかできないのだが.