『パスカルの定理と幾何学の精神』等

nankai2010-06-08

パスカルの定理と幾何学の精神』の原文の翻訳と読解をあげた.2週間ほどフランス語づけだった.タトンの注釈をさらに解釈するようにした.パスカルの文章を,こちらも手を動かして言っていることを確認しながら読むのは本当に面白かった.日本語訳は1959年の人文書院パスカル全集にあっただけのようだが,この本は今回かろうじて1冊古書のネットで見つけた.が,もう他には出ていないようだし,図書館でないと見られない.翻訳が手軽に読めること自体は意味あるだろう.
これを日本の高校数学で解けるところまで解いてみるのがこの続き.高校数学とは平面幾何,座標,ベクトルと複素数まで使う範囲のユークリッド幾何である.なし得る解をすべて作るつもりだ.それらを検討し,その上で射影幾何の体系を作る.さらにその上で射影平面に円錐曲線を導入し,パスカルの定理とポンスレの定理を考える.これを書きすすめると1年ほどかかるだろうと思っている.
昨日,日曜日はS台やその他で教えておられるM師,H師と会食.沖縄料理をいっぱい食べた.M先生はアメリカの数学オリンピックの問題集等をもってきていろいろ教えてくれた.こちらはパスカルの文書を持参.食事をしながらいろいろ話しをしてきた.半年にいちどくらい会っている.
しばらくパスカルばかり読んでいる間に首相交代.前回書いたとおり,歴史の求めるところを実行する政権は持続し,そうしなければ崩壊する.いま歴史が日本の政権に求めていることは,世界が多極化してゆくなかで,アメリカ後の日本のあり方を形づくっていくことである.官僚機構はアメリカに従属して惰眠をむさぼりたいのだろうが,アメリカ自体が衰退してゆく.これは客観的な過程であり不可避なのだ.沖縄のことも,核廃絶のことも,東アジア共同体のことも,すべてこの基本がしっかりしていなければ,何もできない.写真はアジサイ.花弁の形が変わっている.